張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

器が人を作る、とか地位が人を育てると言いますが

 中小・零細企業では社員の勤続年数が長くなると、人物的には未熟に見えるけれど、「器が人を作る」と言われているので、課長とか、部長に抜擢すれば、地位に相応しい業務を行ってくれるものと期待して決定しているケースが多い。

 一般的にはこの決定は正しく、抜擢を受けた社員は、その地位に相応しいように、自ら刺激を求め、今までの殻を破る努力をし、期待に応えようと頑張り、結果としてその地位に応じた人物に育っていくものであり、これが普遍的な考え方なのである。

 しかし、中にはこの言葉が全く通じない者もいるので、只単に、勤続年数が長くなってきたので温情的にする人事抜擢には注意が必要です。

 それは、自己中心的な性格が異常に強く、自分だけ良しの姿勢が顕著で、自分のペースで仕事をしているだけで、器に相応しい人物になろうと努力しない社員です。万一、このような社員に器を与えてしまうと、権限だけを自分の都合によいように振り回し、結果として組織を私物化し、協調性が破壊されてしまい、本人の知らない間に、組織から浮き上がって社内のムードが沈滞してしまうことです。

 怖いのは、自己中心的な性格のため、この事実に全く気付かず、協力してくれない相手が悪いと非難することである。こうなれば人事を公平な目で見ている女子社員から蛇蝎の如く嫌われてしまい、社内が暗いムードとなって、強いては業績にも影響してしまう。
 だから、勤続年数だけで抜擢することには、本人の性格を見極めて慎重に対処するようお奨めします。