張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

事業の定義をしていますか?

 ダーウィンの名言『最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である。』

 

 事業の目的は顧客の創造であると言われている。その顧客は社外にしかいない。社内にあるのはコストだけである。社内に目を向けて管理することを経営と思い込んでいる経営者がいる。社内は管理するところで、本来は管理職が行う業務である。この錯覚に気付いていない。

 顧客は常に社外にいるから、顧客の要求に合わせて我が社の事業を変えて行くことが経営者の本来業務でなければならない。

顧客の創造とは、誰に、何を、どのように提供するかを明確にすることである。これによって、対象市場が決まり、顧客が決まり、取扱商品が決まり、提供方法が決まり、流通チャンネル、販売促進などが決まってくる。これが以前から何回ともなく提唱している「事業の定義」となる。事業の定義が明確でない限り、いかなる企業といえども成り行きに左右されることになる。自らが何であり、自らの価値、主義・信条がなんであるか知らなければ、自ら変えることは出来ない。

 人類の歴史はウイルスを克服したり共存したりして生き延びてきた。その度にパラダイムシフトが起きて今日に至っている。また直近では核保有国が主権国家を侵略し、劣勢になると核や生物兵器を脅しに使うと言う卑劣な手段が執られ、世界秩序が危機に瀕している。

 このような時代だからこそ,定義を明確にして生き伸びて行くことが経営者に課せられた最大の課題である。

 事業の成否を決めるのは我が社ではない。お客様が製品やサービスを購入して、自らを満足させる欲求が事業を決めるという原則を忘れてはならない。お客様にとっての関心は、自分にとっての価値、欲求、の実現であり、お客様が知りたいことは、製品やサービスが,どれだけのことをしてくれるかだけである。則ち効用である。

利益の概念・・・利益とは事業を継続するための費用である。定義活用のバロメーターは投下資本経常利益率で計ることがポイントとなる。 従って、結果がマイナスになる場合は定義の再設定を行う必要がある。何故ならば,我が社の定義に価値や効用をお客様が認識していないからである。

今までは、 我が社の商品やサービスを如何にして販売するかが中心課題であった。このためのマーケッティングや販売方法が主流となって、いつの間にか我が社中心なってしまいお客様の要求が無視されてきた。

 これからは、我が社の商品やサービスを通して、どんな価値や効用を与え続けることが出来るか、徹底して考え抜かなければならない。これが経営者に課された課題である。

 にもかかわらず、忙しすぎて考える暇がたいという意見が多いのも事実である。この状態を打破するためには「脳」のメカニズムを利用することを勧めたい。それは,潜在意識を活用する事である。潜在意識に思いを認識させることによって、脳が自動回転して「解」を出してくれるシステムを活用する事である。