張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

腕利き大工棟梁の憂鬱パート2

プレハブ工法のデメリット
予め工場で生産・加工するためには大量生産が前提となります.当然建設現場で利用しやすいように加工しますから熟練工の需要は減少します。

本来、天然木は手入れが良ければ100年から150年は持ちます。イギリスでは75年、アメリカで44年、日本はたったの26年です。耐用年数の短さは今や主流となったプレハブ工法に原因があります。

工場で大量生産するために木材を合板や集成材として加工します。天然木を切り刻めば組織は破壊され耐用年数が短くなるのは当然のことです。もっと重大なことがあります。それは合板や集成材を加工する際に多量の接着剤を使いますが、この接着剤には有害物質が含まれていて,火災時に有毒ガスが発生し、命の危険にさらされるケースはマスコミ報道でご存知でしょう。

日本は高温・多湿の国です。従って,断熱材の善し悪しによって耐用年数が違ってきます。これは内部結露が原因です。内部結露はカビやダニの発生原因ともなり、化学製品であるグラスウールを使用することが問題となっています。

また、プレハブ工法は機密性を重視しますから空調設備が不可欠です。天然木を使った在来工法の家は,木材が呼吸しているため外気との調整が可能で,過度に冷暖房に依存することなく快適に暮らせることが出来ます。
今や,プレハブ工法の特徴であった低価格は影を潜め、在来工法よりも高価格のものが主流を占めるようになりつつあるのです。

「巧言令色鮮なし仁」とは、言葉巧みで、人から好かれようと愛想を振りまくものには,誠実な人間は少なく,人として最も大事な徳である仁の心が欠けている。出典は「論語
テレビから毎日心地よい形容詞を使ったプレハブメーカーのコマーシャルが流れています。歯の浮くような素晴らしいうたい文句で。

ところで新築住宅の保証期間をご存知でしょうか。瑕疵担保責任はたったの10年です。自動車の5年に比べればあまりにも短いと言う印象を受けます。メーカーによってはプラス10年という保証はありますが原則として有料です。保証期間を短くし,保証期間後は子会社でリホーム。これがビジネスモデルです。

お客様の安全・安心・快適な住まいを提供することを信念とするならば,法律はどうであれ自主的に保証期間の延長に努力すべきではないでしょうか。これが,世界に例を見ないプレハブ王国を築いた者の責務ではないでしょうか。