張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

通貨発行益(シニョレッジ)の本当の意味を教えて下さい。

 政府が紙幣や硬貨を発行する場合、それぞれ原価が発生します。紙幣では1枚当たり20円、1円硬貨の原価は0.29円〜5百円玉で5.19円です。これが市場に出ると額面どおりの金額で通用することが保証されています。この差額は発行益と言われています。ちなみに令和4年度の発行予定で計算しますと紙幣の発行益は15兆4,354億円、硬貨で1.927億円。毎年発行される通貨発行益はどのように理解すれば良いのでしようか。

 常識的には利益として認識し、予算に計上し有効に活用すべきと考えております。

この件について、財務省OBの大学教授が、バランスシート上は日銀の債務(債務証書)であるから、これを利益として直接計上されることはないと下記の事例で説明しておりました。

 曰く、普通常識で考えても、紙幣を発行すれば利益になるなんて、そんなおかしな話しはないわけです。例えば通常の企業の増資や社債発行を考えれば分かりますが、株券や社債券は1枚数十円で刷る事が出来ますが、株式や社債を100億円発行しても、それで100億円儲かった、なんていう人はいないわけです。社債で調達した資金は「負債」で、いつかは返済しなければいけないお金です。こんなことは経済学を学んでいなくても説明されれば分かることであると説明していました。この解説に違和感を覚えたのです。確かに社債は返済期限が確定しているので負債勘定です。

 日銀の通貨発行益が負債として(債務証書)として認識するならば、返済期限は確定しているのでしょうか。返済期限の確定していない債務は、常識的には債務として認識すべきではなく、利益として認識すべきと思いますが。

従来から負債勘定で処理していたからと言いたいでしょうが、これは兌換制度があった時代の考え方です。兌換時代ならば兌換用に金の備蓄として成立していたと考えられます。今日では不換紙幣が当たり前となり、備蓄の必要性はないでしょう。

 そもそも政府は徴税権と通貨発行権を与えられているので、通貨発行に負債が発生する余地はないはずです。民間企業と同列に扱う愚を避けるべきでしょう。と思われますが?

どうか正しい考え方を教えて下さい。