張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

何か変だよ保証期間

高額商品の耐用年数をご存じでしようか。木造住宅は22年、乗用車は6年。それでは保証期間はどうでしょうか。木造住宅で最長10年、乗用車で最長5年です。保証期間割合は木造集宅で45%、乗用車で83%です。違う性質の商品を比べることはおかしいと言う人もいるでしょうが、それにしても今日のように建築技術が高度化しているのにたった10年とは不自然とは思いませんか。

平成21年9月のブログ(フローとストックのお話)で指摘したように、高度成長時代に工場一貫生産方式で同品質でローコストをうたい、国民の期待に応えた大手プレハブメーカーは次第に多様化と高級化路線にシフトして今日の隆盛を極めている。しかし、建築技術が高度化したにもかかわらず耐用年数と保証期間は一向に前進していない。天然木材を利用した在来工法建築で、適時のメンテナンスをすれば100年以上長持ちするのが木材の性質上当たり前と言われているにもかかわらず22年とは明らかに不自然である。アメリカの50年、イギリスの75年に比べ耐用年数に対する姿勢が欠けていると言わざるを得ない。(このビジネスモデルは大手プレハブメーカーだけが回転率が向上し利益確保につながります)

大手プレハブメーカーの寡占化により、在来工法中心の工務店の殆どは下請業者になってしまった。この結果、工場一貫生産方式の材料支給が主流となって従来の付加価値率を確保することが出来ず、中には付加価値率が10%以下という悲惨な経営を余儀なくされているケースもあり、廃業者が続出しているという。これでは「大手プレハブメーカー栄え下請け業者滅ぶ」結果になってしまう。

ところが、自ら従来の姿勢を反省し、国民目線に合わせた良心的なプレハブメーカーが遂に誕生しました。その名はミサワホーム株式会社。平成22年7月以降の新築家屋から業界最長レベル30年保証の運用を開始。しかもそれ以降5年刻みで60年まで延長可能。ミサワホームの企業理念(長く住み継がれ、資産価値を維持できる住まい作り)実現を目指した結果、このような答えになったようです。
外観と機能性を追求せず、住宅の本来持っている価値を見直し、本物企業を区別する選択眼を今こそ養うべきではないでしょうか。