張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

大きかった平和ぼけの代償

 令和4年7月8日午前11時半頃、安倍元総理が奈良市の駅前で参議院選挙の応援演説中に暗殺された衝撃は全世界に報じられた。何故、世界一安全と言われている日本で、このような惨劇が起きたのか、目下犯人像の解明にマスコミは大忙しである。

 報道によると母親が新興宗教の熱心な信者となり、多額の寄付をした結果、破産宣告を受けて悲惨な生活を余儀なくされ、教団を怨みトップの殺害を計画したが、警護が厳重で断念。次の段階で、この教団に関係が深いと言われていた安倍元総理の殺害を計画したと供述。

 この供述には論理的飛躍があります。単なる理解者と言うだけで殺人まで実行することが出来るのでしょうか。全く釈然としません。真実が隠されたまま筋書きどおりに進んでいると考えるのは小生だけでしょうか。真相究明を徹底してもらいたいと思います。

 さて、本題です。警護方法に素人でも判断できる大きな欠陥があったことです。

大東亜戦争後の中国で毛沢東と戦った山西野戦軍の指揮官「城野宏」先生が教えてくれた考え方です。戦後、日本からの補給が途絶えた中で50万の軍隊を維持できたのは、指揮官の判断が優れていたからだと教えてくれました。谷間を行軍中に突然攻撃を受けたとき、一斉に攻撃側に向かって反撃することは常識です。しかし、司令官は咄嗟に反対側を見て敵側を様子を確認する。これが出来ない軍隊は全滅してしまったと。

 報道写真を見る限り、警備人は全員安倍元総理の方向を向いています。誰一人として反対側を監視していません。これは致命的な警護ミスです。だから5メートルまで接近されても気づかず致命傷となってしまったのです。警護のプロが素人でも判断できる体制が何故出来なかったのか。トップは優秀なエリートのようですが、警備体制は机上の空論と言わざるを得ません。また専門家の解説では、数人の犯行であったならば今回の対応は落第と言われているが尤もである。

 前回の選挙でも何も問題点がなかったから、今回も大丈夫だろう。と考えるのが素人である。プロは、常に最悪を想定して余裕を持って対応する。いわゆる平和憲法墨守していれば平和が保たれるというお花畑論が今回の惨事を招いたと言えます。常に反対側に目を向けるという極めて初歩的なミスを警護のプロが見落としてしまったという失態は猛省すべきです。

 国内のリベラルは安倍元総理を貶すことに終始してきた。しかし、世界は安倍元総理の実力を正しく評価していた。それが各国首脳のメッセージとして伝えられたのである。日本は晴らしい羅針盤を失ってしまった。もう平和ぼけは卒業しましょう。世界情勢は卒業を待ってくれないほど緊迫しているのです。