政治の貧困による被害者の叫びが聞こえますか。パート1
暫くお休みしていましたが再開します。
今回のテーマは「政治の貧困による被害者の叫びが聞こえますか」3回シリーズです。
先ず補助線から。 日本の医療制度の現状について。
- 人口100万人に対する病院数(20人以上の病床数)は67件で世界一
- 病床数は千人に対して3人で世界一
- CT台数は100万人当たり3台で世界一
- MRIは100万人当たり9台で世界一
- 公的病院割合は20%、民間病院80%
- 1月29日現在の感染者数約38万人、死者数5,600人
世界一の医療資源を持ち、世界最小の感染者数と死亡者数を誇る日本で、医療崩壊が起きるとは常識から言って考えられない事態である。
国家の最大の責務は国民の生命・財産・国益を守ることが憲法で保障されている。
以上で補助線終わり。
さて、問題の本質は、小泉内閣が行った規制改革である。規制改革の号令の下で本来やってはいけない生命に拘わる医療制度を対象にしてしまった。
規制改革は従来の事前規制から事後規制に変換させ、全てを自己責任で賄うという制度である。財政改革で財政削減を重視した結果、国公立の病院を統廃合させ20%に縮小。これにより民間病院が80%に増加。先進国の中で歪な割合となってしまった。平時ならば世界一の医療制度を誇ることが出来た。しかし、この規制改革の致命的な欠陥は有事の対応を全く視野に入れなかったことである。
この結果、国公立の病院には感染症に対する指揮命令が可能であるにも拘わらず厚労省と文科省の二系列の病院制度の関係で、協力体制が整えず混乱を招く結果となってしまった。また80%の民間病院には法的に指揮命令が出来ず、中には献身的に対応してくれる病院もあるが、大多数の病院は風評被害を恐れて協力依頼には応じることが困難となっていた。協力した結果、風評被害で倒産しても自己責任とされてしまうからである。