張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

惻隠の情 四端の教え

 昨年の秋、経営破綻したリーマンブラザーズの最高経営責任者は在任中の給与が約510億円。2004年に購入した豪邸が14億円、これを訴訟回避のためと思われるが、たったの九千円で妻に売却し、ハイエナの異名を頂戴している。

 市場原理主義は儲けるためには何をしても構わないと言う強欲資本主義を生み出し、極端な規制撤廃をスローガンに掲げ市場を席巻してきた。この理論的な破綻が、今日の金融恐慌を招いたものである。

 我が国においても「改革なくして成長無し」のスローガンの基で、行きすぎた規制撤廃が横行し、医療制度の崩壊、郵政民営化の失敗、拝金主義の横行等によって、「和をもって貴しとなす」と言う日本的な風土がメチャクチャになり、これが凶悪犯罪の温床となっているものと考えられる。

 世の中に起きることは全て「必要・必然・ベスト」と言われているが、これに習えば、今起きている現象は、思い切った方向転換を起こさないと大変なことになりますよと、天が与えた試練であると理解出来る。

 方向転換の心の作法として孟子の「四端の教え」が参考になりますので紹介します。
 『識の心・・・痛ましいと思う心がない人は、人間とはいえない。
 ∽薫の心・・・不義不善を恥ずかしいと思い、憎む気持ちがない人は人間とはいえない。
 辞譲の心・・・他人に譲ろうとする心がない人は、人間とはいえない。
 だ非の心・・・是非善悪の判断の心を持たない人は人間とはいえない。

 強欲資本主義の正反対の思想ですね。これから、本物人間、本物経営を目指す経営者の心の中には「四端の教え」を実行すべきでしょう。市場原理主義の化けの皮が剥がれたのは、これからは本物経営の時代ですと、あえて激震を起こすことで変革を促しているものと理解しましょう。