張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

中小・零細企業の戦い方の原則とは

中小・零細企業が生き延びていくためには、お客様の要求を知り全社を挙げてこの要求に応え、結果として企業継続の原資である付加価値を頂く。と言う構造になっていることは既にご存じのとおりです。

企業の外部には常に同業他社の存在や異業種からの参入という競争状態が普通です。この外部環境に打ち勝たなければ企業の存続は不可能です。それでは中小・零細企業には活路はないのか。活路はあるのです。それは皆様既にご存じの「ランチェスターの法則」を我が社に積極的に取り入れて応用することなのです。

ランチェスターの法則」について復習してみましょう。「ランチェスターの法則」とは、第一法則(一騎打ちの法則)と第二法則(集中戦闘の法則)の二つがあり、中でも第一法則(一騎打ちの法則)は弱者の戦略として有名になりました。具体的には次のとおりです。

①地域を細分化して、局地戦のサイズを我が社の販売力やセールスマンの投入量との関係で正確に掴むこと。②局地戦においては、一点集中主義によって圧倒的なナンバーワン地域を作ってゆくこと③攻撃地点の決め方には、敵の販売力、セールスの投入量、巡回度数や巡回コースを調査し、敵の死角を狙って攻撃すること④我が社の地元を徹底的に固め、拠点の占有率を40%以上に持っていくまではテリトリージャンプをしないこと⑤必ず三つの拠点を作り、点、線、面の構成原理に従うこと。(田岡信夫著)「実践ランチェスターの法則」より引用。

信州松本市に「おだしカンパニー」と言う、だしの専門店があります。正式名称は有限会社植田鰹節店。創業は大正4年5月。あるとき先代社長から売上増強のため長野市に出店し、その後松本市内の大手スーパー内にも出店したいと相談を受けたことがある。ランチェスターの法則を説明し、出店が戦力の分散につながり、やがては母体自体が危険になる事を説明したことがある。賢明な先代社長は即座に理解し、出店を取り止め松本市内に商圏を絞り、徹底して占拠率の向上に活路を見いだし、後継社長が意志を継いで頑張っています。この結果、有名な業務店では隠し味として「植田」の天然材料を使い、本物の味だしの追求に徹底し、お客様の信頼を得ています。飼い猫が「植田」の煮干し以外は絶対に食べないという評判は本当なのです。商圏を絞り、その中で占有率を高める方針は、どの企業にも応用が出来るモデルです。
ランチェスター法則のうち弱者の戦略は、絶対に活用すべき法則です。