張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

乾電池一本でも配達できますか?

表題の件で、このブログを読んだ人の感想はどうでしょうか?多分、そんな採算に合わないことをすれば、赤字になるから止めると答えた人が大部分ではないでしょうか。
それでは、次のケースはどうでしょうか。お客様のために、定期的に乾電池等を無償で配っている。・・・そんな馬鹿なことがあるのか、経営を全く知らない素人の考え方であると反応するでしょう。

ところが、これを確実に実践し、家電量販店の進出にビクともしない町の小売店があるのです。場所は九州の鹿児島県一帯に、独立小売店同士が連携し、健全経営を実践している、ご存知「セブンプラザ」です。

この秘密は、「経営理念」を明確に定め、それを確実に実践しているからです。セブンプラザの経営理念とは、セブンプラザの目指す経営「喜びを分かち合う」です。具体的には次のとおりです。
1.お客様満足度を高める。・・・お客様から必要とされる「かかりつけの電器店」を目指す。
2.職場満足度を高める。・・・人は宝であり働く人が幸せになれる店を目指す。
3.世の中に感謝。・・・お客様、お取引先をはじめ社会の全てに感謝する心。です。

経営理念は額に掲げるものではなく、実践することが大前提である。と言う考えから、家電量販店は、ライバルではない!と言う考え方に集約され、ともすれば価格競争に巻き込まれて廃業するケースが多い中で、客層を高齢者に絞り込み、価格以外の付加価値を付けるために徹底した面倒見を行い、商圏を絞り込みシェアを確保して健全経営を維持している。ポイントは価格以外の付加価値を如何にして付けるかに係っています。ここに経営理念の威力が発揮され、その一部の実践が、常識では考えられない乾電池等の定期的無料配布となって現れているのです。

小生が日頃提唱している「理念型経営」のモデルケースとして紹介させて頂きました。
世の中、デフレ不況でものが売れない、価格が安くて採算が取れないとマイナス思考する前に、我が社の原点を見つめ直し、何のために存在するのか、何をしたいのかを問いたいものです。
真の企業経営は「理念」ありきで、これが王道経営の原則なのです。