張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

中小・零細企業生き残り作戦、市場占有率の話

市場占有率とは、ある特定の市場全体の中で、我が社の商品やサービスがどの位の割合を占めているかを示す比率で、マーケットシェアとも言われいます。

市場占有率という概念は、ランチェスター戦略から導き出されたもので、昭和47年「田岡信夫」氏がランチェスターの法則を我が国で初めて紹介して以来、企業経営の重要な課題として今日まで語り継がれ、既にご承知の経営者も多いと思います。
田岡氏はこの中で企業生き残りの条件として、三つのナンバーワン主義を提唱しています。
一つ目は「地域ナンバーワン」を作ること。二つ目は「得意先」のナンバーワンを作ること。三つ目は「商品」のナンバーワンを作ることです。

この話をすると、我が社は中小・零細企業だから占有率なんか考えても無駄であるとか、占有率は大企業の話で関係ないと言って、拒否反応を示す経営者が結構います。本当に中小・零細企業では占有率は関係ないでしょうか。実は、現実は全く逆なのです。中小・零細企業だからこそ占有率を真剣に考えないと、これからの厳しい環境を生き抜くことは出来ないのです。占有率は何も全国的に考えたり県単位で考える必要はありません。細分化した領域でどうしたらナンバーワンを実現する事が出来るかをトップ自らが実践することです。

日経ビジネス7月4日号の特集「半径500mシェア100%主義」をお読みになりましたか。この事例は大手流通業や大手建設業のしのぎを削る激戦区の中にあって、中小・零細企業がダントツのシェアを確保し、大手を寄せ付けない作戦が紹介されています。

東京都大田区大森、エリア内人口2万2千人中シエア70%以上を確保している「ダイシン」の事例。秘密は高齢者一人一人に孫のような接客、高齢単身世帯に超小分け販売、高齢者の我が儘優先の過剰な品揃え等。
前橋市の「ミヤシタデンキ」エリア内1万2千世帯の内45%のシェア確保。毎日、商圏内を巡回し、高齢者に対する手厚いアフターケア等。
滋賀県甲賀市びわ湖ホーム」人口23万人の商圏でセキスイハイムやタマホームを押さえ8年連続シェア8.5%確保。24時間クレーム対応、顧客宅を定期的に訪問等。

これらの事例企業は、我が社は何のために存在するのか、と言う問いに、地域のお客様のために存在するという明確な理念を持って、徹底したお客様第一主義を実践した結果、お客様から絶対的な信頼を勝ち取った結果です。
市場占有率の向上は明確な理念によって実現することを、この事例から学んで欲しいものです。