張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

下手な鉄砲、数を撃っても当たらない

国税庁は4月28日、「平成21年度分法人企業の実態」を公表しました。これによりますと全国の法人数は261万7,064社、このうち利益計上法人は71万552社で、残りの190万157社が欠損法人で、その割合は72.8%となり、前年度の71.5%を上回り、欠損法人割合は過去最高となったと報じています。つまり10社の内7社強が赤字で、2社強が利益を出しているに過ぎず、世界で最もデフレが浸透している日本経済を象徴しています。しかし、法人数ではデフレ不況にも拘わらず1万3,699社増加し、伸び率は0.5%で、平成11年以降最高の法人数になっています。

それにしても10社の内7社強が赤字とは異常です。本来、企業は利益を出して、納税することによって社会貢献する存在です。税収が不足し、国債依存による国家運営は将来的に大きな禍根を残します。
何故でしょうか。社会主義経済が崩壊し、世界が一つの市場に収斂した結果、一物一価の法則が適用され、全ての物価が安い方に流れるという大きなトレンドが底流にあるのです。この結果、従来の不景気の後に好景気が来るという流れの中で、我慢していればやがて好景気が到来するという淡い期待が見事に崩れ去ってしまったという認識が必要なのです。

ところで、2008年7月29日号のブログをご存じですか?産業大学大学院経営情報学研究所教授宮田先生が、全国22万社以上の中小企業の資料を数年にわたって科学的に分析した結果、従来の通説をひっくり返す事実を明らかにしました。それは、経営理念の戦略的性格が明らかになると同時に、経営理念が利益に直結している事実を明らかにしたことです。

時代のトレンドが様変わりしている今日、今だ我が社の「経営理念」さえも明確に確立せずに経営している企業が多いことに驚かされます。多分赤字企業の殆どが「経営理念」なしで経営しているのではないでしょうか。

下手な鉄砲、数打ちゃ当たる。と言う言葉が、人口に膾炙されていますが、我が社の「経営理念」という明確な焦点を確立せずに行う経営は、「下手な鉄砲、数を撃っても当たらない」結果となり、労多くして結果なしの赤字法人を続ける羽目になってしまいます。
そろそろ焦点を絞るために「経営理念」を早急に立ち上げ、黒字企業に転換すると言う経営者本来の業務を見直すべきではないでしょうか。