張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

間違いやすい月次業績の読み方

長引くデフレ不況の中で、必死の経営努力をしても業績が伴わない企業が、8割近くになっていることが統計上明らかになっています。このような環境の下では、ともすれば経営者は企業の内部に目を向けがちとなります。曰く、月々の経営資料を正確に把握するため、仕入の締め日に対応させて売上や経費を計上したいという。仕入の締め日が20日ならば売上や経費の計上も全て20日で統一する。

確かに同一期間で一見合理的と思われますが、所詮一ヶ月は一ヶ月なのです。果たして締め日を統一したからと言って経営の改善が出来るのでしょうか。明らかに否です。
本来の目的は正確な経営数字を把握する事ですが、それならば毎月棚卸をして正しい付加価値を計算するか、販売の都度仕入価格を認識させて付加価値を計算する方法以外にはないのです。
一般的には、仕入や材料の購入が先行する以上、上記の方法以外に正しい損益の把握は困難なのです。いくら正確な数値を把握しても業績改善には殆ど寄与しないと考えるべきです。

経営の本質は、我が社は何のために存在するのかと言う命題を掲げ、それを実現するために外部のお客様に対応することによって初めて結果として付加価値が得られるという原理原則を追求することなのです。と言うことは我が社が存続するために必要な利益は、全て外部のお客様が握っているのです。だから本来経営体質を強化するためには、社内に目を向けるのではなく、全て外部のお客様に向けなければならないのです。社内で発生するものはコストしかないという認識を持つべきでしょう。

経営の実態を知らない外部からの知識を鵜呑みにして、内部に業績向上のヒントがあると誤解してしまうと将来に渡り危機が増殖されますので注意が必要です。
社内の合理化で経営が出来るならば、業績を悪化させる企業は殆どありません。業績向上の秘訣は外部のお客様に対する姿勢で決着が付くことを認識してもらいたいものです。