張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

何故日本の木造住宅の寿命は26年なのか?

 予てから日本の代表的なハウスメーカーの経営手法に疑問を持っていた小生は、平成22年7月22日の当ブログで「何か変だよ保証期間」と題して問題提起しました。建築技術が高度化したにも拘わらず、耐用年数が向上せず、且つ保証期間が相変わらず10年とは、自動車の耐用年数6年に対して、保証期間が5年と比較した場合、明らかに異常と感じたからです。

その後4年近く経過しました。遂にその真相を明らかにした著書を発見したのでご紹介します。これから新築やリフォームを予定している人は是非、読んでから注文して下さい。著書名は「ハウスメーカーと官僚がダメにした日本の住宅」です。著者はダブル断熱工法で全国に1万棟の実績を指導しいてる「澤田升男」氏。

以下に要約します。
統計によれば日本の住宅の寿命は26年、アメリカが88年、ヨーロッパでは140年のようです。アメリカやヨーロッパでは住宅が古くなるにつれて価値が上昇し、日本は建てた瞬間から価値が減価すると言います。これは明らかに変です。工法が複雑な天然木を使用せず、工場で加工した便利な加工品を多用しているのが原因のようです。
日本では大手のハウスメーカーが人体に有害な工業薬品を使って、大量生産した加工材料を使い、莫大な広告宣伝を行い過激な販売競争を行っています。この結果、地元の工務店は衰退の一途を辿っています。

先の例の国では、住宅は地元の工務店が建築するのは当たり前で、日本のような大手ハウスメーカーは存在しないようです。何故ならばその土地の風土に合わせた工法に従っているからです。
大手ハウスメーカーの付加価値率は平均で60%のようです。これが莫大な広告宣伝費の原資となり結果として施主が負担していることになります。具体的には製造原価が1,600万円では施主に売却される時点で4,000万となっているようです。

天然木は自然状態を保てば数百年は持つようです。これを端材を含めて細かく切り刻んで接着剤で固めてしまえば、見た目が良く加工が簡単になりますが木材の寿命は殆どなくなってしまいます。また、各種の加工に化学薬品を多用するため、シックハウス症候群などが多発しているようです。

日本のような高温多湿の国では湿気対策が不可欠で、この対策として機密性の高い工法が奨励されました。これが結露を発生させ、カビや細菌の温床となっていると言われています。日本には天然木を多用した断熱工法が最適であると訴えています。
また、今の工法では10年経過するとメンテナンスが必要となるように設計されているようです。この結果、大手ハウスメーカーは同時にリフォームでも大手になっている現実を、どのように理解すべきなのでしょうか。
以上、著書より意訳抜粋しました。

所得税の確定申告時期に、ある金融機関から小生が「経営革新等支援機関」の認定を受けているので、ある会社の再建計画を2月末までに作成して欲しいとの依頼を受けたために超繁忙となってブログをサボってしまいましたことをお詫びします。