張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

ついに暴かれたバクチ資本主義の正体

 9月15日の敬老の日に、米リーマン・ブラザーズが負債総額64兆円で倒産。その前にメリルリンチがバンカメに5兆三千億円で買収された。

 このショックで世界同時大株安が進行中で、取扱を間違えれば世界恐慌に突入する恐れさえある。
 今日、米経済を支えているのは、戦争ビジネスと金融ビジネスである。この中で金融ビジネスはとんでもない化け物と化してしまっている。スーパーコンピューターを使い、高等数学を駆使して、金融工学の分野を開発し、レバレッジを活用し、実際取引の数百倍のボリュームで取引を実行する。僅かの金利差、僅かの物価差で莫大な利益を確保することが可能となった。しかし、逆に触れると莫大な損失を被るシステムである。

 十数年前にバブルを経験した日本人なら、とても信じられない取引が米国中で起こっていた。返済能力の全くない低所得者に、不動産の値上がりを期待して、住宅資金の貸し付けを行い、無理矢理不動産需要を喚起して好景気に持っていく手法に、国民は浮かれていたのである。

 一方、貸付銀行は、全く不良な担保債権を、優良債権とミックスして債券として売却。この売却に伴い各付け会社は不良債権を最高格付けのトリブルAとして格付けしたため、高金利に敏感な世界中の金融機関がこれを購入。結果は、お定まりのとおりとなってしまった。保有債券が何処まで下がるのか誰も分からない程複雑化してしまい、疑心暗鬼がマーケットを一挙に収縮してしまい、膨大な評価損が発生したためである。

 儲かれば何をしても構わないというモラルハザードが招いた結果である。洞爺湖サミットは50年後の環境問題より、現実的な行きすぎた金融工学にブレーキを掛ける会議にすべきではなかったのか。
 日本でも汚染米事件、偽装事件、不祥事が相次いで起きているが、キーワードは儲けるためには何をしても構わないという風潮である。「偽装」はウイルスの如く世界を蔓延するのではないかと心配している。