二枚舌と消費税増税

二枚舌とは嘘をつくこと。あるいは同じ事を別々に言い分けること。と言われています。

次の文章を読んで下さい。
1.日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは全く考えられない。
2.マクロ的に見れば､日本は世界最大の貯蓄超過国である。
3.この結果、国債の95％は国内で消化され、世界一の低金利をマーケットは追認している。
4.日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高水準である。
一人あたりのＧＤＰが日本の三分の一で、大きな赤字国でも日本より格付けの高い国がある。日本国がシングルAに格下げされれば､日本より経済のファンダメンタルズで遙かに格差のある新興市場国と同格付けとなる。

世界の格付け機関が日本国債を格下げしたとき、財務省が反論したのが上記の文章なのです。この反論は日本国の実力を見事に言い当てています。いろいろなデーターを当たってみても間違いありません。このように財務省は世界に向かって情報発信しているのです。

では、次の文章を見て下さい。
日本国の国債・地方債は約一千兆円に達する。これはＧＤＰの二倍に相当し、国民一人あたり八百万円以上の借金となっている。次世代以降に負の資産を残してはならない。このままでは日本国は財政破綻し、この結果、ハイパーインフレが来襲、やがて日本は世界の貧乏国に落ちてしまう。これを救うには増税による財政再建以外に道は無い。だからどんな事をしても増税である。この内、消費税は広く薄く負担させるため直接税より効果的である。消費税増税だけは国民の反発を招くので、社会保障と一体改革という名目でセットにすれば理解が得られやすい。どんな手を使ってでも増税だけは実現したい。

この結果、政権与党は国民の期待を裏切り、マニフェスト違反を承知の上で、三党合意により強引に衆議院を通過させてしまった。正に二枚舌の典型と言えましょう。

国民の大多数が反対している消費税増税を三党合意という極めて異常な手段で､強引にすすめることを「決める政治」と豪語し､いかにも立派なリーダだと言わんばかりの精神的姿勢に不気味ささえ感じる今日この頃です。
もっと恐ろしい光景が見えます。このような行為について､国民は仕方が無いと諦めムードが漂っていることです。自分たちの将来は自分たちで決めなければならないにも拘わらずです。政治不信は結果的に私達が招いたのです。この反省にたって行動を起こさなければ事態は改善されません。