張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

格付けの風評被害

3.11原発事故による風評被害が被災地の人々や国民を不安に陥れ、復旧・復興が遅々として進まない状況が半年経っても続いている。政治の無為無策が招いた悲劇である。

今日、世界経済は極めて不安定な状況にあり、一歩間違うと世界同時恐慌に突入しかねない。一番の元凶は何であろうか。
以下の事実をご存じでしょう。
日本国債10年もの利率は0.61%、同じくアメリカ国債2.19%、中国国債3.30%、ブラジル国債12.90%、話題のギリシャ国債2年ものはなんと46%。金利は信用のバロメーターと言われています。日本は世界最大の債権国で純資産266兆円。個人金融資産約1,500兆円、国及び地方の債務残高約1,000兆円。日本国のGDP約500兆円弱。

貸借対照表(バランスシート)は資金の調達と支払の結果を表し、必ずバランスするように複式簿記の原理を使って作成されています。今、財政悪化を理由に増税路線が叫ばれていますが、本当でしょうか。国・地方の借金1,000兆円は国民の側から見れば国に対する債権です。借金の多さだけを取り出して云々するのは為にする議論と言えます。

欧米には3大格付け会社が存在します。ムーディズ、スタンダード&プアーズ、フィッチです。いずれも公的機関ではなく株式会社です。この格付け会社世界恐慌の引き金を引こうとしているのです。サブプライムローンリーマンショックが世界同時不況の始まりであったことはご存じでしょう。

信用度の低い個人向けローンはサブプライムローンと言われ敬遠されていました。ところが高度な金融工学を駆使して、この劣悪な住宅ローンを株券のように証券化し、他の金融商品と組み合わされて、世界中にばらまかれました。いわゆる「毒入りまんじゅう」です。あろう事か3大格付け会社はこの不良債権に最優良のトリプルAのお済み付けを付けてしまったのです。これを信用した購入した人たちが住宅バブル崩壊で一挙に巨額の損失を被り、一番積極的に販売したリーマンが支払い不能で倒産したものです。
あまりにも杜撰な格付けにより世界不況の原因を作りながら、何の反省もなく、今回も世界一安全な日本国債を格下げするという暴挙に出ています。「反省なきところに進歩なし」こんな格付け機関の発表に一喜一憂する必要はないのです。事実、本国のアメリカでは、いよいよ責任追及に動き出しました。格付け会社風評被害世界恐慌を引き起こす危険があります。冷静な対応が望まれます。