張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

何故行政がらみの不正事件が多発しているのか?

 最近、事故米の不正販売、産地偽装など、食品にまつわる不正事件が続発している。原因は、監督官庁が本来業務を行っていないことである。その根本には、日本の風土に合わない規制改革を米国の言われるままに強引に推し進めたのが基となっている。

 現在、内閣府に「総合規制改革会議」が設置され、規制改革に関する議論が集中的に審議され、実行に移されている。委員会メンバーを見ると、改革は全て善であり、規制はすべで悪であるというイデオロギーに汚染されたメンバーが多数を占めている。
 規制改革メンバーは改革のメリットばかりを宣伝し、デメリットについては口をつぐんでいる。

 平成9年から始まった規制改革の根本思想をご存じたろうか。それは「事前規制型行政」から「事後チェック型行政」への大転換である。
 従来は、許認可等及びそれに関連する行政指導などの手段により国民・事業者を直接規制する行政(直接規制)から、行政指導で規制するのではなく、具体的なルールを定めて、ルールの範囲内で自由に活動させ、国民の活力を一段と発揮させるようにする。「間接指導」の大回転である。
 この結果、規制が外れるため不祥事は続発する危険がある。これを解決する方法として司法制度の改革が実行され、司法試験合格者を従来の千人程度から一挙に三倍の三千人にアップさせ、将来的にはフランス並みの20万人の弁護士を生んで、多発する事件解決に当たらせるという制度が、既に規制改革で実行に移されているのである。各地に出来た「法科大学院」はその結果である。

 日本人のDNAは(和を以て貴しと為す)で貫かれている。この連鎖を立ちきり、全ての解決を裁判で決着を付けるという欧米流の思想にはなじまいのである。
 今後益々増加傾向にあるこの種の事件を裁判で決着を付けるという「事後チェック型行政」が本当に正しいのか、本質を見極め改善する姿勢を持とうではありませんか。