消費税軽減税税率対応の問題点についてパート1
先ず補助線から
国家とは何か・・・国家とは国民の生命・財産・安全を保証する為に存在すると言われています。これを担保するために国民は納税の義務を課されていることはご承知のとおりです。
覇道とは・・・国家権力を背景にして仁政を装い,天下国家を支配すること。
王道とは・・・徳や仁義を以て天下国家を支配すること。
支配するためには国民に分かりやすい法律を制定し、予見性を周知させることが大原則であり、立法精神はシンプル・イズ・ベストでなければなりません。・・・補助線終わり
さて、現在の税法の条文は如何でしょうか。「一読難解、二読誤解、三読不可解」と言われるほど複雑です。この複雑な税法の中でも更に複雑なのが2019年10月1日施行予定の改正消費税法です。
日本の消費税法は他国の制度であるインボイス方式ではなく,帳簿方式で行われている関係で複数税率には適していないのです。ところが自民党は他の与党の組織票欲しさに,その党の要求である複数税率を呑んでしまったのです。明らかに大衆迎合の結果です。ここから今日の大混乱が始まってしまいました。
税法は予見性を高め、シンプル・イズ・ベストでなければならないのに、複雑怪奇な税法を作ってしまいました。食品関係が8%の軽減税率、それ以外が10%です。たった二段階だから複雑ではないと思われますが,これが不毛の議論を呼ぶ切っ掛けとなってしまったのです。8%になるか10%になるかの議論は,何の生産性もなく議論の上に議論を重ねる時間の浪費となることは明らかです。これは王道ではなく覇道の世界と言えましょう。