張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

歴史の教訓パート1 項羽と劉邦

先ず補助線から。
温故知新とは、故きを温ねて新しきを知る、と言う意味です。
孔子孟子墨子孫子等。宇宙の調和と進化向上のために人間のあり方を説いた中国古典の偉大なる啓蒙者。
易姓革命とは、天子は天命を受けて国家を統治しているが、天子の徳が衰えれば天命も革(あらた)まり、有徳者(他姓の人)が新たに王朝を創始する。
覇道とは、徳によらず武力や策略で諸侯を従え天下を治める事。
王道とは、徳をもって世を治めることを言う。
補助線終わり。

 世の中が混沌としているときは、歴史を学べと言います。時代が移ろうとも人間の心は変わらないから、長い歴史の中に必ず「解」が見つかると言います。
 紀元前200年前後、偉大なる歴史家「司馬遷」の史記の中の圧巻は(項羽と劉邦)でしょう。我が国でも司馬遼太郎が著した(項羽と劉邦)がベストセラーになりました。ちなみに司馬遼太郎は「司馬遷」に遼に及ばない男というペンネームです。
 秦の始皇帝が天下を統一したものの僅か二代で崩壊してしまいました。この混乱期に天下統一を成し遂げたのが漢帝国を築いた劉邦です。ちなみに中国人を漢民族というのはこの漢帝国に由来しています。

 劉邦の最大のライバルはご存知項羽です。項羽は楚の国の名門将軍の血筋を引く豪傑で、戦いには滅法強く、戦うごとに巨大な勢力を築いていきます。しかし、豪傑であるがゆえに部下の意見を聞かず、有能な部下が育たない環境であったようです。特に有能な軍師であった笵増の意見を無視したことが、後に命取りになり、笵増は失意の内に項羽の元を去って行きます。
 一方の劉邦は戦いがからっきし弱く、常に負け戦を強いられていました。自分は戦いが下手である。しかし、天下を取りたい。持って生まれた親分肌が人を引きつけることになり、次第に有能な人材が集まるようになってきました。戦いが下手であることを自覚している劉邦は徹底して人材を活用するようになりました。
 ロジステックの天才蕭荷、軍師張良、戦いの天才韓信・周勃等々。
適材適所に人材を配置した劉邦は、最後の決戦に挑み、次第に項羽を「垓下」まで追い詰めていきます。