張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

治世の能臣、乱世の姦雄

三世紀の初め中国は魏、呉、蜀の三国が天下統一を目指して覇権を争ったいわゆる三国志の時代の史実を陳寿が正史「三国志」を、これを下に小説を書いた羅貫中が「三国志演義」を著し、21世紀の今日でも人気が衰えていない。
三国志演義」での魏の曹操は徹底した悪人として描かれ、蜀の劉備漢帝国の末裔として血統と(有徳の人)として善人に描かれている。中でも魏の曹操は「治世の能臣、乱世の姦雄」と言われていることはご承知のとおりです。
ここで姦雄とは現代ではマイナスイメージが強いが実質は単なる英雄でもただの悪党でもない。天下に覇を唱える強烈な個性の持ち主で当代一流の戦略家で、戦いは常に陣頭指揮。人材活用の天才であったという。だからその後、蜀と呉を統一し「晋」という統一国家の礎を作った人物である。

時代は移り21世紀の日本。政治は混迷を極め、この結果適切な経済対策が打たれず技術立国日本の経済は持てる力を発揮できずデフレでガタガタ。まさに政治と経済ばかりでなく人心の荒廃まで進んでしまい、まさに乱世の様相を呈している。
このときに行われたのが先の参議院選挙である。このとき総理は管内閣に対する信任投票であると大見得を切った事はご存じでしょう。結果は民主党惨敗という形で国民から不信任を突きつけたれてしまった。
憲政の常道ならばここで総辞職するのが筋である。ところが総理がころころ変わるのは国際的な信用から問題であるという屁理屈をかざして続投宣言をしてしまった。これが今日民主党内紛の本質なのである。結果として国民を無視した党内勢力図の塗り替えであると評価は落ちる一方である。

今を乱世として捉えるならば強いリーダシップを発揮し、我が国のグランドデザインを描き、国民の生命・財産を守り、且つ、国際的評価を高めることが出来る、いわゆる(姦雄)の出現が待望される。
小沢一郎金権政治家、悪徳代官と非難されているにもかかわらず、あえて国難のため火中のクリを拾う姿勢と勇気に気迫を感ずる。金権政治に対しては検察庁が不起訴処分したことは立件できないと判断したからで、そうであれば現在の法律では推定無罪なのである。それにもかかわらずよってたかって悪徳代官のイメージを創り上げようとしている意図が疑われる。

政治資金規正法で一円の領収書まで管理するというチマチマした行為をした結果、いつの間にか大物政治家が姿を消してしまい、国家百年の大計を論ずる事が出来ない不幸を国民が自ら招いてしまったのである。政治家に潔癖を求めすぎると大物政治家が育たず、いずれ二流国家として低落する運命である。今こそ本物政治家の出現を望みたい。