張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

不名誉な記録更新

東京商工リサーチ7月14日号に不名誉な記録が更新されました。
長野県は過去5年間、県別赤字法人割合が全国第二位です。第一位はご存知徳島県。長野県は2008年78.20%で第二位、2009年81.71%で第二位、2010年80.78%で第二位、2011年79.59%で第三位、2012年78.47%で再び第二位。
同報告書は全国ワースト二位の理由として次の四つの理由を挙げています。
1.観光業の長期低迷
2.製造業の長期低迷
3.建設業の長期低迷
4.その他として、内陸のため陸送コストがかかる。
なるほど、と納得出来る原因が説明されていますが、本当でしょうか。本当に長野県だけの特殊事情なのでしょうか。上記の四つの理由は全て外部要因(条件)であり全国共通の要因と考えることによって、不名誉から脱出することが可能となります。

長野県は不名誉なワースト二位だから、我が社の業績不振も仕方が無いと考えてしまえば解決の糸口は見つかりません。外部要因(条件)はどの経営者にとっても共通の課題です。欠けているのは何でしょうか。そうです内部要因(原因)です。内部要因とは経営者の心や姿勢を言います。外部環境が同じ中で4社に1社の割合で利益を確保している会社があるのです。その差は内部要因と差として理解するべきなのです。

内部要因の根本は「我が社は何のために存在するのか」と言う命題に対して、明確な答えを考えることです。これを考え抜いて凝縮したのが「経営理念」です。「経営理念」無きところに事業の発展は困難と考えるべきです。

その答えを出すためのツールとして「SWOT」分析があります。何だ「SWOT」か、そんなことは知っているよ、と答える経営者が殆どではないでしょうか。しかし、知識として知っていても実際に我が社に適用して実践している経営者は何人いるでしょうか。
我が社の内部要因としての強みと弱み、外部要因としての脅威とチャンス。これを我が社に適用することによって初めて課題が具体的になるのです。この課題を「経営理念」とすることによって、組織が一丸となってお客様に対して統一行動が出来るのです。お客様の要求と一致したとき、結果として事業継続費としての利益が確保されるのです。

中小・零細企業の強みは決断と実行が瞬時に出来ることなのです。試行錯誤の連続によってお客様の要求が見えてくるのです。
逡巡は厳禁。即実行あるのみです。そして不名誉からおさらばしましょう。
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