張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

機会損失のお話しパート2

前号で、機会損失の概念とその応用方法について若干説明しましたが、今回はその続きです。
機会損失の防止が事業繁栄に不可欠である事はご理解頂けたと思います。その実践には「理念型経営」が最重要である事もお解りになったと思います。その為には、業種・業態を明確にし、その中で我が社の業態に対する定義付けを行うことが基本なのです。

業種とは事業の分類方法で、製造業、建設業、運輸・通信業、卸売業、小売業、サービス業等が該当します。
業態とはこの中で、売り方、サービスの仕方の違いにより分類する方法で、例えば小売業であればデパート、スーパー、コンビニ、専門店等に分類されます。

ここまでは誰でも知っていることですが、殆どがここでストップして先に進んでいないのです。これでは差別化は不可能です。差別化がお客様の要求に合ったとき、初めて事業の存続が保証されます。
それでは差別化はどうすれば可能でしょうか。無数にある同業他社の中から選ばれるためには、事業の中で定義付けが必要なのです。定義付けとは、我が社は何のために存在するのか。お客様のために何が出来るかを社長自ら問い、答えを出すことから始まるのです。この定義づけなくして事業の繁栄は困難でしょう。

前号で印刷業の例を書きましたが、今回は観葉植物リース業について考えてみます。
我が社は観葉植物リース業であるといくら考えても新しい発想は生まれてきません。これでは機会損失が発生しても気付かないでしょう。ところが、我が社はオフィス環境最適構築業であると定義つげしたらどうなりますか。
従来のように観葉植物を定期的に設置するだけでお客様は満足していたでしょうか。定義が決まれば、個々のユーザーに対して最適な観葉植物は何なのか。風水から見た最適な置き場所は何処なのか。オフィス緑化対策の進言はどのように行っているのか。各地方の季節毎の行事にどのように取り組んでいるのか。業務案内をiPad等を使って効果的なプレゼンテーションを行っているか等々。

今までなかった潜在需要を掘り起こすことが出来ます。これが機会損失防止の秘訣であり、事業繁栄の元なのです。差別化とは、我が社の定義づけであることを理解してもらいたいと思います。その定義付けは社長の強い思いから生まれるものなのです。先ず手と口と足を使って実践しましょう。