張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

もったいない話

 安曇野市には100年以上続いた老舗割烹がある。後継者の代になって数年前から「うなぎ専門店」に改造した。100年以上続いただけあって、うなぎ料理は抜群である。特に「ひつまぶし」は当店の自慢料理である。

 うなぎには蒸す方法と,焼く方法があるが、焼き方が上手に行かないと「ひつまぶし」が出来ない。各人の好みで自由に加工できるのが楽しみの一つである。

 ところが、この老舗、月曜日午後7時半頃に入ったが,他にお客がいない。何故、こんな美味しい料理を出してくれるのにお客がいないのか。待ち時間を利用していろいろ考えてみた。そして分かった。お客の立場で物事を考えず、お店の立場で考えているからだと。

 先ず、車社会で駐車場の配慮が欠けている。食事をしようとして前まで来ても駐車場が何処にあるのか分からず,一旦車から降りて店内に入り場所を聞く。これではお客は面倒になり通過してしまう。少なくても案内板を一目で分かるように工夫する必要がある。

 次に,美味しい料理を提供するため,注文してから料理に取りかかり,出て来るまでに時間が掛かる。これはお店としては当然のことであるが、待ち時間の工夫が足りない。(料理に時間が掛かります)のメッセージだけでは今一である。出来れば,当店は最高の料理を味わっていただくため、時間の余裕を与えて下さい。と言うメッセージも欲しい。

 次に、待ち時間を利用して、「うなぎ」に関係した資料提供とか、クイズとか、美味しいうなぎ料理の食べ方とか、固定客作りの資料収集の工夫とか、待ち時間を飽きさせない工夫をお客の立場になって考える必要があるのではないか。また、専門店はエリアを広くしないといけない。広範囲のお客予定者にどのように伝えるのか。クチコミ方法はどうしたら上手く行くか等についての工夫も必要である。
 21世紀は本物の時代だと言われている。手を拱いていては情報は伝播しない。もったいない話である。