張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

こだわりの隠し味

「信州信濃の蕎麦よりも,わたしや貴方の蕎麦が良い」今に伝えられ,信州蕎麦は有名である。
私は蕎麦が好きなので、何処何処の蕎麦が美味いと聞くと食べに出かける。
 最近、美味いという評判をとっている蕎麦やさんに共通点があることに気付いた。それは隠し味である。

 蕎麦のたれは蕎麦の命である。このたれを作るのに鰹節の厚削りを使い、醤油は沖縄産の天然塩ヌチマースを使い、味噌は国内大豆とヌチマースを使用している醸造屋のことを無理強いして教えて貰った。

 信州には珍しく「植田」という鰹節専門店が松本市にあり、高級店はここの鰹節を密かに使っていると聞いた。また、味噌・醤油については100年の歴史を持った松本市の山里にある大久保醸造店が料理専門店仲間では有名のようである。

 ある時、この工場の裏手に回ったら沖縄産のヌチマースの空袋がおいてあったので,主人に訳を尋ねたら,こだわりの味を提供するにはコストを無視して本物を使わなければならないと,苦しい経営状況を話してくれた。このこだわりが評判となって販路が拡大しているようである。今では、本物鰹節、味噌・醤油は我が家の必需品である。

 何故隠し味の話なのか。
 アメリカ発の金融不安が世界中に波及し、我が国中小零細企業も業績悪化を招いているところが続出している。不安のあまり多角化展開を目指して、経営者は本業以外の事業に手を出して失敗しているケースが多い。
 多角化とは、自社の技術やノウハウを応用して他分野に進出することである。これを間違えて技術を活かせない分野に進出するから失敗するのである。
 今日、業績好調な企業は、総合メーカーではなく、自社の技術力を活かした部品メーカーである事実に着目して貰いたい。その中で徹底して拘っている会社が評価され業績が良い事を知って,応用して貰いたい。