張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

真の勇気を持っていますか?

「真の勇気とは、しっかりと立ち上がり周囲を見回して、今なすべき事を見つけ出すことである」・・・新渡戸稲造言行録。

 安倍総理が、今決断すべき事は複数税率を伴う消費税増税の延期を一日も早く決断することです。一日遅れる毎に混乱と怨嗟が増幅され、強いては政権の命運まで左右される可能性が高まってきました。

 熾烈を極める米中貿易戦争の実体は、覇権争いであると言う認識が不可欠です。覇権争いであるならば貿易戦争は短期間では終わらない覚悟が必要です。過去500年間の新興国と覇権国の対立は殆どが戦争で解決さています。しかし、熱い戦争は核大国間では現実性がありませんが、その分決着には長い時間が必要です。新興国が降参するまで。

 安倍総理は、かつてリーマン・ショック級ならば増税を延期すると言っていました。リーマン・ショックは急激な経済悪化でしたが、今回の貿易戦争の効果は徐々に表れるという特徴を持ち、結果的にリーマン・ショック以上の経済破壊を覚悟すべきなのです。
 恐慌指数と言われているゴールド・シルバー比率が依然として高止まりで5月17日現在では84.6%です。80%を超えると危険信号と言われています。

 ところで、6月には日本で「G20」が開催されます。当然議長国は日本です。G20に今求められている役割は、世界経済の持続可能で包括的な成長の実現のための基盤作りであると言われています。これは議長国として世界に向かって成長力強化のための具体的な取り決めを実践することです。

 議長国である日本が、米中貿易戦争の影響で、確実に経済の悪化が確実視される中で、複数税率という不毛な議論を誘発する消費税の増税を予定どおり強行した場合、経済の悪化は過去の経験から明確である。世界に向かって成長力強化を発信しながら、自国では経済悪化を招く消費税の強行。この矛盾をどう説明するのでしょうか。

 安倍政権は長期政権だったが消費税を二度も増税し、先進国で成長率を一番落としたと記録されるのか、あるいは真の勇気を持った名宰相として記録されるのか。決断は今です。