張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

潮目が変わったか?

 「潮目」とは、潮の流れがぶつかり合うことを言います。これから転じて情勢の変化やこれまでの流れが変わるという意味で使われていることはご存知のとおりです。

 生前、著名なコンサルタントであった船井幸雄氏が、現在起きている諸現象は全て「必要・必然・ベスト」であると言っていました。この言に従えば、イギリスのEU離脱アメリカ大統領選でのトランプ現象に象徴される出来事は、実は「潮目」が変わり、これが「必要・必然・ベスト」であると理解すると本筋が見えてくると思います。

 この根底になっているのが「市場原理主義と」と「グローバリゼーション」への懐疑です。「市場原理主義」とは、市場での自由な競争に任せておけば,価格、生産ともに適切に調整され、この結果、生活全体も向上するという理論です。「グローバリゼーション」とは、人、カネ、モノが国家の枠組みを超えて活発に移動し、各国経済の開放を行うことによって文化的、商業的、経済的に交流が促進され、結果として世界が豊かになると言う理論です。

 この結果、極端な規制緩和が行われ、従来秩序が破壊されたり、多国籍企業に利潤が集中し、貧富の格差が拡大してしまい、今や1%の富者と99%の貧者と言う構造が定着してしまったのです。これらに対する強烈な不満が波動となって「潮目」現象が起きたと考えられます。

 ところで、経済予測は当たらないと言われていますが、これには理由があります。予測するためには前提条件が不可欠です。その前提条件とは「人間の行動は全て合理的に行動する」と言うものです。しかしながら人間は感情の動物と言われ、感情は数値では計測が困難です。計測困難な感情を無視した予測は、当たる確率は低いと言わざるを得ません。

 理屈はともあれ、経営者ならば時流を読むことも大切ですが、我が社の「定義」を明確にして、不動の態勢を作ることが使命ではないでしょうか。