張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

新しく生まれ変わった事業性評価融資の概要についてパート2

事業性評価融資への質的転換
 これまで過去の決算書を中心にして定量分析を行い担保や保証や金利を決定していた融資方法を改め、定性分析に重点を置いた融資に質的転換を図る方法が主流となります。

 定性分析とは、数字に表しにくい重要項目である企業の事業内容や将来性について新しい判断基準に基づいて分析を行う手法です。
 具体的には取扱商品の特徴、サービスの特徴、顧客力、営業力、生産力、技術力、組織管理力、社員力、経営者能力、SWOT分析力、経営理念の有無等を対象とします。これでは文書が抽象的なため、より理解を深めるために果樹栽培にたとえて説明します。リンゴの木を例題とします。

 リンゴの果実は、今日までの努力が実った結果です。これは企業の決算書「定量分析」に該当します。今年は密度の高い良質なリンゴが大量に収穫出来て豊作だった。でも、収穫できた瞬間から過去の実績となってしまいます。これを分析し融資を行っていたのが従来の方法です。

 実は、良質のリンゴが収穫出来たのは強い幹を育てた「根」があってのことなのです。将来のリンゴを収穫できるのは強い根っこが不可欠です。しかし、根っこは目に見えないため数字で評価することは困難でした。根っこの分析を定性分析と言い金融機関が敬遠してきた項目なのです。ここに徹底的に焦点を当てることにより、より精度の高い「目利き」を活用し、中小・零細企業のためになる本物の金融機関の誕生となるのです。金融機関にとって高いハードルとなりますが、これをクリアーしないことには生き延びることは困難なのです。
 お金を貸してあげます、と言う従来からの上から目線では根っこの理解は不可能です。企業密着頻度をより高め、経営者とともに根っこをより強くする戦術を共有する姿勢が今求められているのです。