張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

新しく生まれ変わった事業性評価融資の概要についてパート1

 森金融庁長官の誕生で金融行政が劇的に変化しつつあります。この変化は、中小・零細企業にとって強い味方となり対応次第では大きなチャンス到来となります。

 従来の金融機関のあり方の反省
 地元の金融機関は、融資の際に財務諸表(決算書)分析に重点を置き、それに基づいて担保と保証と金利を決定していた事実が、金融庁のアンケート調査によって浮かび上がってきました。財務諸表分析は過去の数字を分析するもので、将来に対する見通しは殆ど行っていなかったのです。

 また、バブル崩壊後「金融検査マニュアル」の厳格な対応を求められた結果、金融検査マニュアルに合格することが目的化されてしまい、地元企業の育成は全く無視されてしまっていたのです。

 この間、金融危機を脱出するため信用保証制度が拡充されて、金融機関は100%保証融資が可能となり、ノーリスクでの融資が当たり前となってしまったのです。この結果、金融機関の本業であるプロパー融資が激減し、いわゆる「目利き」の能力が極端に低下してしまいました。
 このため、本業である貸し出し収益が低迷し、国債や高リスク債権などの有価証券運用に傾き、リスクを蓄積し、マイナス金利政策によって業績はさらに悪化しているのが現状です。

 さらに、ノーリスク融資が当たり前になった関係で、本業であるプロパー融資が激減した結果、短期の借入金制度が崩壊し、中小・零細企業の生命線である運転資金が枯渇し、経営の足を引っ張る結果となってしまったのです。かつての短期借入金制度は利息を払うだけで運転資金が利用出来、自己資金的な安定資金として活用が出来たのです。
 ところが、金融機関によっては短期借入金の制度を悪用し、金曜日の午後3時過ぎになって突然融資ストップの連絡が入り倒産させられたケースが散見された結果、経営者は自己防衛のため契約で保証されている長期借入金にシフトする傾向となって、ますます運転資金が減少するという悪循環が始まってしまったのです。
 この欠陥を是正するため、金融庁は運転資金を確保するためのプロパー融資を積極的に薦めているのです。
パート2では事業性評価への質的転換について