張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

最近、世界中で社会的・経済的に大きな混乱が続いています。その原因の仮説②

 世界の各地でIS国の卑劣なテロ行為が横行しています。テロ行為は無関係の人々を巻き込んで恐怖感を与えることを目的としたもので決して許されるものではありません。しかし、武力で殲滅すれば解決するするほど単純な問題ではないと考えます。その根本は極端な貧富の格差が広がり、これが宗教対立となっているからです。

 これは、キリスト教の経済理論とイスラム教の経済理論の相違が根本原因であると理解するとスッキリ腑に落ちてきます。何故、同根である一神教が教義において極端な相違を持ってしまったのか。
 結論から言うと、キリスト教の経済理論が極限にまで拡大し、限界に来ていることの証明であると仮説を立てます。

 キリスト教の教義は禁欲の精神です。なんと、この禁欲の精神から資本主義の思想が生まれてきたのです。ご存知でしょう。マックスウェーバーが1905年に著した名著「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」。以下に要約します。

 それまでキリスト教では金儲けは高く評価されてこなかった。プロテスタンテイィズムは最も禁欲的で、金儲けを強硬に否定する宗教であった。

 金儲けに正当性が与えられない社会では、金儲けが当然抑制され近代資本主義社会へと発展することはなかった。ところが、最初から利潤の追求を目的とするのではなく、行動的禁欲を持って天職に勤勉に励み、その結果として利潤を得るのであれば、その利潤は、安くて良質なサービスを人々に提供したという「隣人愛」の実践の結果であり、その労働が神の御心に適っている証であり、救済を確信する証である。このようにして、皮肉なことに、最も金儲けに否定的な禁欲的な宗教が、金儲けを積極的に肯定する理論と近代資本主義を生み出したのである。と。
 次号に続きます。