張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず。その二

前号の続きです。 
製造業や建設業などの物づくり企業はどうでしょうか。これらの業種の特徴は時間管理が生命線となります。原価管理が出来ていない所で業績の良い会社をあまり見たことがありません。

 直接工が一定の単位(日、時間、分)でどれだけの付加価値を上げたかをチェックすることが最重要です。これを賃率と言います。ある製品を作るのに何人で何時間かかったか分からなければ金鉱脈は発見出来ません。これを工数管理と言います。

 各現場で作業指図書に必要事項を書かせることは社長命令として徹底させなくてはなりません。
同じ製品を作るのにA社員は1時間に20個、B社員は40個作ることが出来れば生産性は倍になります。それでも給料が同じならば悲劇です。物づくり企業では生産性の考えがなければ利益確保は困難です。
 我が社の実際の賃率はいくらなのか、利益を確保するための必要賃率はいくらなのか,常に把握していないと的確な判断が出来ません。

 また、歩留まり管理も物づくり企業では生命線です。一般的に工業製品は投入された原材料の全てが製品にはなりません。不良品が出たり,端材が出ます。不良品を取り除き,端材を計算して、出荷できる製品の割合を歩留まりと言いますが,これらは全て金鉱脈です。これが出来なくて的確な指示が出来るでしょうか。

 これらが出来たならば前号で説明したABC分析や年計グラフを活用することにより羅針盤を作り「己を知る」事が出来るのです。
 知識は活用することによって「知恵」となります。これが蓄積されてノウハウとして確立することが出来ます。金鉱脈は足下にあるのです。