張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

彼を知り己を知れば,百戦して殆うからず。その一

ご存知、孫子の兵法の一説です。
知識としては誰でも知っている有名な言葉です。これを現代の経営に当てはめて考えれば,原理・原則が見えてきます。業績の良い会社はこれを確実に応用しているケースが多いのです。 
 「彼を知り」とは、一般的に同業他社の状況を研究することであると認識されていますが、これをお客様と言い換えることによって状況は変わってきます。

 どんな事業でも,お客様の存在無くして経営は不可能です。従って、事業経営の原点はお客様に対して我が社はどんな貢献が出来るのか。これを命題にすれば独自の経営理念が容易に確立することが出来ます。
 問題は「己を知る」事が案外疎かになって的確な対応が出来ていないケースが多いことです。我が社のことは全て理解していると思い込んでいますが,肝心の経営判断に必要な情報が放置されたままで,合計数字に頼り過ぎているケースが多いのです。

 折角、社内に経営判断に不可欠な金鉱脈があるのに探り当てることが出来ず,悩んでいるケースが見受けられます。
 金鉱脈発見の糸口は数字を分解することから始まります。
例えば,売上について,各お得意様の我が社に対する貢献度をチェックするため売上高のABC分析は当然ですが,その貢献度が本物かどうかをチェックするため得意先別の付加価値分析も必要になります。これを怠ると売上至上主義に陥ってしまいます。

次には、各得意先の過去から現在に至る傾向を知るため,売上高及び付加価値別の年計グラフの作成も定期的に行うことも必要です。
 次いで我が社の商品別売り上げ構成をチェックするため商品別ABC分析、この商品がどれだけ貢献しているかをチェックする商品別付加価値分析、及び各年計グラフも必要です。

 業績好調の家電販売店では,社員別売上管理は当然ですが社員別付加価値管理を行っているのです。手間はかかりますが,これなくして社員管理は出来ません.と言う返事でした。
 以下は次回です。