張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

戦略発想の薦めパート4 TPP

 集団的自衛権とTPP問題は一見関係ないと思われますが、実は底流で繋がっているのです。このことに気付くために戦略発想が必要です。

 当初、自民党政権はTPPに対して断固反対の姿勢を貫き、政権公約していたのをご存知でしょうか。日本の関税は先進諸国に比べ最も低い税率で、これ以上開放しても日本経済に大きなメリットは期待できないことを理解していました。だから参加表明が遅れたのです。

アメリカは以前から経済大国日本の市場開放を狙って、日本国内の規制緩和を強要したりWTOを利用して何回も市場開放を迫りましたが、一部の開放に成功しましたが、大部分は官僚の抵抗に遭い失敗してしまいました。そこで目を付けたのがTPPです。参加交渉に遅れたアメリカは、いつの間にか主導権を握り、日本の参加を強く求めるようになりました。日本の最大の弱点を突いてきたのです。アメリカの国益のために。

日本の最大の弱点は何でしょうか。それは、日本の根本的な自存自衛の権利を、日米安全保障条約に全面的に委ねている他力本願の姿勢から来ています。この付けが一挙に噴出したのがTPP問題なのです。

 自国の生存権の最も大切な防衛問題をアメリカに全面依存し、一国平和主義を貫き、平和ぼけした日本は中国や北朝鮮による無法に対して為す術もなく、オバマ大統領をして尖閣諸島は日本防衛の範疇に入ると言わしめた代償は結果的に高くついてしまいました。

中国の高圧的で異常な軍事的対応や、北朝鮮による核の脅威に対して、日本一国で防衛は可能ですか?アメリカが防波堤になって挙げますよ。その為の代償としてTPPの成立に協力して下さいよ。と言われたらノーと言えますか。TPP絶対反対から、参加表明に至までの間に、国益同士の駆け引きがあったと考えるのが自然です。
パート5に続く。