張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

戦略発想の薦め パート3 先ず自衛権の問題から

 パート2からの続きです。
平和憲法の堅持、一国平和主義の死守を唱え、抽象論での論争には何の解決も得られないことを認識してもらいたい。日本では言論の自由が保障されていますから何を言っても構いません。しかし、反対するだけでなく、国家戦略を達成するための具体的な提案も併せて行うのが筋ではないでしょうか。

 かつて、岸内閣の安保条約改定を巡り、学生運動が盛り上がり、国中が大騒ぎになったことがあります。後に参加者にアンケートをしたところ、安保条約の改定の中身を知らずにデモに参加した学生が多数であったことか判明したのです。今日、政治評論家で有名な田原総一郎氏は自信のブログで、当時安保条約の中身を全く知らずにデモに参加したと告白しています。

 反対することは個人の自由です。しかし、本当に集団的自衛権の中身について理解しているのでしようか。戦略的に日本国家の立ち位置を考えたならば、抽象論や感情論だけでは通用しない現実を認識してもらいたいものです。

 カルタゴの悲劇をご存知でしょうか。何故、カルタゴは滅んだのか。
カルタゴは紀元前250年頃、地中海に覇権をとなえた大国でした。第二次ポエニ戦争に負けて、戦勝国から武装解除させられ、戦争を放棄することになったカルタゴは、戦後の復興を貿易一筋にして見事に成功しました。戦後賠償も全て支払いました。しかし、その経済力に脅威を感じたローマ帝国によって、結局は滅ぼされてしまいました。

 滅ぼされる直前、カルタゴ愛国者であるハンニバル将軍は、ローマの狙いを見抜き、祖国の危機をカルタゴ市民に訴えましたが、平和ぼけした市民は耳を貸そうとしませんでした。それどころか、「ハンニバルは戦争しようとしている」と中傷するものさえいたのです。しかも、最終的にハンニバルはローマに洗脳された者達によってローマに売られ、自殺に追い込まれてしまいました。
 現在の日本の空気が、カルタゴの悲劇にうり二つに映るのは小生だけでしょうか。賢者は歴史に学ぶと言われています。常に戦略論から考える習慣を作りましょう。
 パート4に続きます。