張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

本当はどうなっているのでしょうか?

日本人は不思議な民族です。
自国の貨幣価値が上がれば円高不況と言って大騒ぎ、強引な金融政策で円安になれば円安不況と言って大騒ぎ。一体、この国はどうなっているのでしょうか。
自国の貨幣価値が上がって大騒ぎするのは日本人だけです。日本以外の国では海外から安く買えるから大歓迎なのです。

どうしてこうなってしまったのでしょうか。そこには大きな錯覚が作用しているのです。その錯覚とは何でしょうか。答えは日本は貿易立国であると言う錯覚です。

先ず、現実の統計数字から見てみましょう。2013年度のGDPは481兆円、輸出総額は約70兆円、輸入総額は81兆円となっています。割合で言えば輸出依存度は14.5%、輸入依存度は16.8%、輸出入合計の貿易依存度は31.3%となっています。これは世界180カ国の内最下位のレベルなのです。
GDPの内、輸出依存度が14.5%と言うことは、85.5%は国内で消費されていることを意味します。実は、日本は既に完全な内需依存型経済となっているのです。

日本は資源小国です。食料やエネルギーなど重要な資源は殆ど輸入に頼っています。輸入依存度は16.8%で輸出依存度よりも高いのです。これは円安政策が日本にとって極めて不利であることを物語っています。今日、異次元緩和で極端な円安となり,一時に比べ約40円近く円安になってしまいました。この円安で一部の輸出大企業は為替差益の増加で大幅な増益となっています。しかし、これは本業の儲けではないので所得配分には慎重となり広く国民に利益を共有するというところまでは行きません。
ところが、極端な円安は資源小国日本にとっては致命的な打撃となってしまいます。内需型中心の中小・零細企業や国民は輸入物価の上昇で、減収・減益と実質賃金の減少に見舞われ、デフレが一挙に表面化しているのが現状です。

経済の安定成長を実現するためには極端な円高や強引な円安政策はやってはいけないのです。1ドル90円程度が日本にとって理想的な水準なのです。

2年前の政権交代以降株価が上昇したことを持って経済政策が成功したと報道されていますが,本業の儲けではなく為替によるものである以上、極めて不安定な状態です。しかも、今日の株価は官製相場と言われ,公的資金の介入によるもので実体経済を反映していないと言われています。
以上のようにデーターに基づいて判断する習慣が必要になってきました。