張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

見えていた筋書き 戦略と矜持

今年の日本シリーズソフトバンクの圧倒的な戦力と前代未聞の幕切れで終わりました。
ところで、セリーグの覇者、巨人は何故阪神に屈辱的な4連敗を喫してしまったのでしょうか。
実は、8月の後半からこの筋書きは見えていました。野球の素人が何を後講釈で理屈を並べているとお考えでしょうが、実際の経営にも応用が出来ますので以下に述べます。

8月後半まで巨人は阪神と広島に負け越していました。終盤近くになってようやく勝ち越すことが出来たのは、阪神と広島がクライマックスシリーズ制度を上手く利用したためです。戦力に勝る阪神と広島はクライマックスシリーズで巨人を倒せば日本シリーズに出場出来ると判断し、終盤近くは戦力温存を図ったため巨人は優勝出来たのです。

巨人としてはパリーグの覇者を倒して日本一になると言う戦略と矜持を持っていれば屈辱的な4連敗はなかったと思います。
戦術として首位打者マートン打点王のゴメスを如何に封じ込めるかを徹底的に分析すると共に、強力な投手陣の攻略についての研究が欠落していたと思わざるを得ません。

人気の巨人という名声に胡座をかいていた結果です。ペナントレースの延長戦で戦おうとした安易な気持ちが戦術のミスを犯してしまったのです。

阪神主力投手陣の勝ち数は42勝、巨人は28勝しかないのです。本来ならば弱者の戦術を執るべきでした。また、セリーグの覇者としての矜持が全く見て取れなかったのは私だけではないと思います。選手が一丸となって覇者の矜持を共有するならばあのような無様な結果を招くことはなかったでしょう。

この点、ソフトバンクは一敗後に4連勝したのは,徹底して主力打線を封じ込んだことと、パリーグの覇者としての矜持を持って,セリーグ2位の阪神に負けてたまるかと言う強い精神力を発揮した結果と言えます.加えて秋山監督の辞任に対し,男の花道として選手が一丸となったことも大きいと言えます。
これは指揮官としての監督の資質によることが大ですが、これを補佐する参謀役に優秀な人材を揃えていた結果と言えます。
スポーツは戦略と戦術の優劣が短期間に判定できますから,参考になります。
おりしも、企業の70%は赤字企業と言われています。「戦略と戦術」を駆使して,赤字企業から脱出する方法を考えましょう。