張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

交際費課税が緩和されましたが?

交際費課税について中小・零細法人については優遇制度が存在していることはご承知のとおりです。則ち年800万円「定額控除限度額」以下は非課税となり、それを越える接待飲食費につては50%相当額の損金算入のいずれかの選択適用が可能となりました。

実務的には年800万円までの交際費を使う中小・零細法人はまれであり,殆どが「定額控除限度額」以下です。これに伴い10%の損金不算入制度は廃止されました。これで煩わしい交際費課税から解放されたと思う経営者が多いと思います。

しかし、この緩和策の反面、「交際費」の定義が明確になりました。接待交際費とは、交際費の内飲食その他これに類する行為のために要する費用を言う。となっています。これに伴い法人税法で整理・保存が義務づけられている帳簿書類に一定の事項を記載する事により飲食費であることが明らかであるものを言う。と明文化されたことです。
具体的には
1.飲食費に係わる飲食があった年月日
2.飲食費に係わる飲食等に参加した得意先・仕入先等の氏名または名称及び関係
3.飲食費の金額及び飲食店、料理店の名称及び所在地
4.その他飲食費であることを明らかにするための必要な事項。
帳簿書類に記載すべき一定の事項が明記されたため、従来のように領収書の裏に必要事項をメモ書きする程度ではクリアー出来ないと考えるべきです。

上記の4項目が満たされていない場合に注意が必要です。立証責任は納税者になりますから,曖昧なものは交際費として認定されないという危険です。交際費として認定されなければ,同族役員の個人的支出して扱われるケースが多発することです。個人的支出として認定されれば,役員の賞与となり、役員賞与は会社の利益と見なされますからダブルで課税されるという結果を招きます。

非課税枠の拡大には以上のような危険が潜んでいますから、保存方法と記載事項には十分な注意が必要です。不注意から無駄な税金を支払わないよう日頃から準備しておきましょう。