張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

歴史の真実 点と線 その11

いわゆる東京裁判に対する基本的な考え方について。
東京裁判は法の原理を無視した違法な裁判であったことは今や通説となっています。日本政府は基本的にこの裁判を認めていません。認めたのはこれによって出た諸判決だけです。

何故、違法な裁判なのでしょうか。それは近代刑法の大原則を無視した裁判だったからです。その大原則とは「法の不遡及」を言います。これは実行時点で合法であった行為を、事後に定めた法律により遡って違法として処罰することを禁止する制度です。

さて、靖国参拝問題と絡めてA級戦犯の合祀問題が参拝のたびに国の内外から批判を浴びでいる現実に違和感を感じています。
そもそもA級戦犯と言う言葉は連合国が使う言葉であり、善良な日本国民が使う言葉ではないことを先ず認識してもらいたいものです。A級戦犯と言う言葉を使うことは既に連合国側から物をみている証拠であると気付いていないのです。

東京裁判ではABCの項目に分けて裁判が行われました。A項目は「平和に対する罪」で侵略戦争の計画や開始、遂行が該当します。B項目は占領地人民の殺人、虐待等が該当します。C項目は一般人民に対して行われた殺人、奴隷化等が該当します。

この項目を理解していないとA級戦犯は悪逆非道の行為で罰せられたと思い込んでいる人が、いまだ存在するのです。これこそが違法裁判の根幹なのです。何故か、「平和に対する罪」は明らかに事後法なのです。東京裁判で初めて出来た法律です。このようなことが強引に行われたことが後に復讐裁判と言われる所以になっています。

後にサンフランシスコ講和条約が成立します。講和条約成立と同時に占領中の指令などの効力が失われることは国際法の大原則です。その後、東京裁判参加国11カ国から日本政府に対して戦犯者の刑の残りを免除する旨の通知がありました。国会においても与野党問わず全会一致でA級戦犯は免責されたのです。以後、日本にはA級戦犯は存在しなくなりました。

存在しないA級戦犯を煽り立て靖国参拝問題と絡めて問題することは、日本人として如何なものかと考える次第です。勿論、思想言論の自由憲法で保障されていることは承知しています。
無罪になった人間を前科者と言って罵ることが、如何に常軌を逸しているか、日本人の精神構造が病んでいるのではないでしょうか?