張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

歴史の真実 点と線 その6

ロシアは地理的に十分な不凍港(冬でも凍らない港)がないため,ヨーロッパに比べ経済発展が遅れていました。これを解決するため温かい港を求めて南下政策を国是としていたことは歴史の事実です。このため、清国を恫喝し、満州に東清鉄道を敷設し,その先端に位置する遼東半島不凍港、旅順を狙っていたのです。

ところが、日清戦争の結果遼東半島は日本の支配下に入ってしまいました。南下政策の希望を絶たれたロシアはドイツとフランスと共に「三国干渉」を強要し,清国に返還させることに成功しました。その後強力な国力を背景に遼東半島をロシアの勢力下に置き、これを拠点にさらなる南下政策を開始します。清国と朝鮮半島がロシアの勢力下に入れば、地政学的に日本の安全は極めて不安定になってしまいます。これは遼東半島朝鮮半島の地図を見れば一目瞭然です。そこで自衛のために朝鮮半島の帰属を巡って行われたのが日露戦争です。

ちょっと横道にそれます。「日露戦争前、満州国はロシアの支配下にありました。日露戦争の勝利によって満州鉄道の敷設権を獲得、満鉄の警備のために日本が出兵。満州は元々満州族の土地です。後に日本が支援して溥儀を皇帝とした満州国が成立しました。満州国は日本が侵略したのではなく、また中国の領土でなかったという歴史的事実は覚えておいて下さい」

本論に入ります。
当時のロシアは世界一の陸軍国で海軍も旅順艦隊とバルチック艦隊の二大艦隊を要し、世界の強国として君臨していました。これに対し明治維新から40年足らずの有色人種の小国が戦争しても勝てる見込みは皆無と言われていたのです。ところが日英同盟の影響下で、世界中を驚愕させてしまったことはご存知のとおりです。
203高知を確保することで旅順艦隊を壊滅させ、日本海海戦ではバルチック艦隊を殲滅、奉天会戦の勝利によってロシアの敗戦が確定しました。特に日本海海戦は海戦史上パーフェクト勝利であったことは世界の知ることとなったのです。

日露戦争は有色人種が白人人種に勝利した人類史上初めての近代戦争だったのです。当時の地球は白人が支配し,植民地にされていたことはご承知のとおりです。
日露戦争の劇的な勝利が,アメリカのオレンジ計画の発端となり、これが火種となって大東亜戦争に繋がっていくのです。有色人種の日本が白人支配に挑戦し、勝利したことは驚きと共にやがて嫉妬に変わって行きます。

オレンジ計画とは、強大国ロシアを破った日本が,やがて太平洋を挟んで対峙するであろうと考え、これを殲滅するために造られた計画名がオレンジ計画です。日露戦争直後の明治末期に創られたと言うことは狩猟民族の戦略性として覚えておく必要があります。
やがて日本は有色人種で世界の列強の立場を確保しますが、人種差別問題と植民地支配問題から孤立化を深めていきます。