張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

歴史の真実 点と線 その2

何故、明治維新は奇跡的に成功したのか?
その答えは「恐怖心」でした。
前回、歴史の真実を理解するには「点」ではなく「線」で行うことが正しいと説明しました。それではいつ頃から「線」を引けば良いでしょうか。大きな歴史の転換点となった幕末から明治維新にかけて考えてみましょう。

江戸時代の初期に「鎖国令」が発せられ、外国との通交・貿易を禁止する一連の措置がとられ、幕末まで継続されていたことはご存知のとおりです。この「鎖国令」には二つの面から考察する必要があります。一つは何故「鎖国」を行ったか。二つ目は「鎖国」して国内の経済はどうなったかという二点です。
一つ目の何故「鎖国」したかについては、17世紀・18世紀の欧米列強の残虐な植民地支配の真実を知ったからです。既にインド、清国はじめアジア諸国南アメリカ諸国、アフリカ諸国は植民地として支配下に置かれていました。
植民地支配は壮絶を極め、強引な資源の略奪や過激な労働を強いられていたことはご存知のとおりです。この結果、欧米列強は隆盛を極めたことは歴史の事実です。

欧米列強が植民地支配の先兵としてキリスト教の宣教師を送り込み、布教を口実にして拠点を作り、これを基点として軍事力で支配するというシナリオを江戸幕府の知識層は知っていたのです。対抗策として「鎖国令」を発して防止に成功しました。二つ目は「鎖国」しても自給自足が出来る資源が国内にあったという事実です。正に黄金の国ジバングだったのです。

次に幕末期における民度はどうなっていたのでしょうか。武士の識字率は100%、江戸市民の識字率90%、全国平均で50%程度。正に世界一の識字率を誇っていたのです。最強の列強国イギリスでさえ識字率は10%程度と言われています。
この識字率の高い民度が、奇跡と言われる明治維新を成功させた原動力となったのです。
今日、宣教師を送り込まれた国々で、キリスト教の信者が全体の0.8%しかいないのは日本だけでしょう。これは八百万の神を信じる国民にとって一神教の危険性を本能的に察知していたからであると考えます。
次回では開国に至る真実についてお話しします。