張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

業績を上げる原価計算のお話

前号からの関連したお話をします。
製品を作るときには単位当たりの原価がいくらになっているかを計算しないと売値も決まりませんし、受注生産方式ではいくら儲けたかが解りません。そこで考案されたのが原価計算です。そんなことは当然知っているよ。と言う人が殆どです。しかし、現実には間違いに気付かず機会損失を増やしている場合が多いのです。

原価計算方法には多種類ありますが、代表的なものは全部原価計算と直接原価計算です。
全部原価計算とは製品を作るのにかかった全ての費用を集計し,これを生産個数で割り単位当たりの原価を計算する方法です。これには材料費、外注費、人件費、動力費、償却費等全ての経費が対象になります。この方法は生産量が一定の場合には正しい計算が出来ます。しかし、現実には生産量は変化します。変化する生産量の原価を計算するにはこの方法ではその都度原価が変わってしまい、高めになる傾向があります。そのため積極的な販売攻勢にブレーキがかかってしまいます。

この欠点を克服するために考え出されたのが直接原価計算です。この計算方法の特徴は、売上の増減に比例する費用と、時の経過によって発生する経費に区分して計算する方法です。売上の増減に比例して発生する費用で主なものは材料費と外注費で、これを変動費と言います。それ以外の経費は時の経過によって発生するもので固定費と言います。

売上から変動費を引いたものが付加価値、付加価値から固定費を引いたものが経常利益となります。
つまり、固定費を賄うために付加価値をいくら確保しなければならないのか、その付加価値を確保するためにいくらの売り上げを確保するのか。この考え方から損益分岐点が生まれたのです。結果的に直接原価計算は全て逆算で行うことに通じます。このことから私達は理念型経営をおすすめしている次第です。これを応用したのが賃率計算です。

この計算方法は戦略経営に最適です。何を何個生産すれば最適の付加価値を確保できるか計算が出来るからです。これで目標利益を確保するためにどうすれば良いのか戦術が生まれてくるのです。

「脳」は目標が定まると24時間フルタイムで活動する機能を持っています。この機能を最大限発揮して業績向上に邁進して下さい。