張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

いわゆる統一球問題の本質について

プロ野球の「統一球」問題が話題となっていますが、情報が混乱して焦点がぼけているようです。ここでは問題の本質について検討してみましょう。

今回の問題は、企業経営問題として捉えると、組織ぐるみの粉飾決算に当たります。粉飾決算とは、会社が不正な意図を持って、経営成績及び財務状態を実際より過大又は過少に表示するような人為的操作を加えた決算を言います。

そもそも統一球問題はWBCに参加するに当たって、国内の飛ぶボールを参加国の基準に合わせるために実施されたものです。この結果、ホームラン数は激減しました。ところが今年になってホームラン数が昨年の1.5倍に増産されるようになりました。素人目にも今年のボールは良く飛ぶようになったと感じながら、さすがプロだ、短期間で見事に克服した努力には敬服する感じて見ていました。統一球問題の本質は世界基準に合わせることが目的だったのです。

ところが、記者会見では、前日に事務局長が加藤コニッショナーに相談しながら変更したと言っているにも拘わらず、翌日の記者会見でコミッショナー本人は全然知らなかったと会見し、この問題について責任はないと答弁しています。

組織の中で、事務局長クラスが独断でこのような重要な意志決定を行うことはあり得ない。万一、あったとしたら責任者は完全に無視されたことになり、組織の運営上、部下の厳重処分と、自らの出処進退について言及すべきである。また、シーズンはじめから素人目でも解る飛ぶボール問題について、プロの選手が実感していないことは極めて不自然である。事実、事件発覚後殆どの選手が異変に気付いていたと証言していることから選手会や球団側にも共通の情報として認識していたことになる。また、ボールの製造元であるミズノには多数の問い合わせがあり、事務局から変更が無いとに返答するよう指示があったことが判明している。

これらを総合するとプロ野球関係者全員が組織ぐるみで事実を隠ぺいしたこととなる。プロ野球はファンがあって存在する。そのファンを全く馬鹿にして、無視する行為は許してはならない。早急に真相解明を行い、当事者の処分とファンの納得する組織再編を行い再出発してもらいたい。
人事が停滞すると、組織は腐敗するという現実を反面教師として学びましょう。