張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

国内家電販売不振の一側面

国内家電メーカーの販売不振が依然として続いています。かつては家電王国と言われ高品質の家電が世界を席巻していました。ところが今や大幅赤字の直接原因となって、企業存続が危ぶまれている始末です。

確かに台湾、中国、韓国の低価格製品に押されて販売不振が続き、更に追い打ちを掛けるように円高となって円高差損のダブルパンチを受けたことは事実です。

かつて、国内メーカーのテレビは高性能・高価格が当たり前でした。二画面操作は当たり前、画面サイズも自由に変更できたのです。ところがアジア諸国の低価格製品と円高に押されて、次第に国内生産から中国等に生産シフトを移してきました。これが技術移転に拍車を掛け、今では追われる立場に転落してしまいました。これと同時に低価格が定着することにより性能が画一的になって、各社の独自性が失われていきました。この結果、何が起こったのでしょうか。消費者のニーズを全く無視していまい価格訴求力だけで売上増加を狙うようになってしまったのです。

実は、地上アナログ放送の廃止に伴い、機能低下が著しくなったテレビを買い換えるため各社の性能を検討しました。その結果、画質がキレイで二画面操作が出来るテレビは国内では東芝だけが販売していたのです。昨年の暮れに東芝レグザを購入しました。ところが6月6日になって突然画像が映らなくなってしまいました。トラブルチェックリストにしたがって操作しても解決できず、東芝に連絡しましたが原因が全く分からないので担当者を派遣すると言われ翌日を待ちました。

新品を買って半年以内で故障したのは初めてですと言ったら、その社員は何と答えたと思いますか?
実は、基盤の重要部分の殆どが中国製なのです。中国製は故障が多くて困っているんです。中国製だから故障が多くて当たり前という答えに異常を感じ取ったのです。何処で部品を調達しようが東芝というブランドで販売している以上、国内製品と同等の品質管理が当たり前です。価格競争により品質にバラツキがあっても当然とする考え方に、今日の販売不振の原因があると考えますが、如何でしょうか。