張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

逆手(さかて)に取る

逆手に取るとは、機転を利かせて不利な状況を生かすこと。または相手の攻め手を逆に反論・反撃に利用する事。(日本語表現辞典より)

この連休を利用して冬の北海道に行ってきました。現地は荒れ模様の予報が出ていましたので、防寒対策をして行きましたが、比較的天候に恵まれ暖かな北海道でした。
松本空港往復で、1日目が旭川の「旭川冬まつり」、2日目が「札幌雪祭り」。旭川の「旭川冬まつり」の歴史は公式ホームページによると、発端は戦後の21年に遡るようで、除雪の処理に困っていたところ、郷土出身の彫刻家の助言で、雪像を芸術化することに気付き、これを提案したのが発祥と言われています。
67年の歴史を重ねた平成25年度は、11トントラック6,000台の雪を使って自衛隊が作成した世界一の雪像トランスフォーマー」が、一点豪華主義で圧巻でした。また、旭川駅前通では1条通から8条通の間に「氷彫刻世界大会」が開催され、個人戦で31出品、団体戦で22出品が展示され、昼夜を問わず氷彫刻の芸術を満喫することが出来ました。

一方「札幌雪祭り」は公式サイトによると昭和25年、地元の学生が6つの雪像大通公園に設置したのが始まりで、今年で64回を数え、ススキ野会場の「氷の祭典」は34回を重ねています。今では「札幌雪祭り」が北海道の定番となっています。今年の観光客も優に200万人を超える盛況で、大通公園の見事な雪像は当然ですが、所狭しと並んだ屋台とオリジナルグッズ店で、昼夜を問わず立錐の余地のないほどの混雑ぶりでした。

では、雪祭りの経済効果はどうなっているでしょうか。公式サイトによると前年度の決算額は約一億五百万円(自衛隊等の経費は除く)、一方、経済波及効果は268億円となっており、効果は抜群です。
旭川冬まつり」は一点豪華な雪像と氷彫刻の展示ですが、屋台が10数件に過ぎず、経済効果はいまいちと感じました。しかし、素朴さには好感が持てます。

長々と状況説明しましたが、冬の北海道は積雪と寒さで観光は限られ極めて不利な環境です。では環境が悪いと言って手を拱いていたでしょうか。不利な環境を逆手にとって見事な観光資源に育て上げた道産子に我々は学ぶことがあるのではないでしょうか。

外部的には政府の施策が悪いからだめだとか、景気が悪いからだめだとか、内部的には中小・零細企業だからだめだとか、出来ないことを並び立てる習慣が身についてはいないでしょうか。
我が社は何のために存在するのか、どうすれば可能になるか考えることこそが経営者の命題である事を自覚し、原点に立ち返れば逆手に取るアイディアも潜在意識の働きによって実現出来るのです。
景気の「気」は気分の「気」です。安倍内閣の積極策が気分を明るくさせ、早くも明るい指標が出てきています。この波を上手く活用しましょう。