張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

奇をてらう

奇をてらうとは、予想外を狙う、意表を突く、そのような行動を取って人の関心をひくこと。YAHOO!知恵袋より。

最近、新聞広告で「社長、御社の経営理念が会社を潰す!」と言うタイトルの本が(中経出版)から出版され、ビジネス部門の書籍として第1位となっているのをご存知でしょうか。

私が予てから推奨しいる「理念型経営」と真っ向から勝負している衝撃的なタイトルなので、敵を知る意味で読んでみました。経営理念作りに辟易している経営者にとっては、我が意を得たりのタイトルです。

経営理念のない経営は羅針盤のない船と同じで、行く先すら解らない不安定な航海となります。だから、日頃口を酸っぱくして経営理念を作りなさいと言っているのです。

ところが、この著者は経営理念を作ると会社を潰すと言っているのです。欠点があったら指摘してやろうと構えて読んでみました。ところが何のことはないのです。中身は経営理念を必死になって推奨している著書なのです。ただ、経営理念という言葉を使っていないだけなのです。経営理念に換えて、我が社は何のために存在しているかを徹底して追求しなさいと言っているのです。この表現変ですね。

経営理念とは、我が社は何のために存在しているのかを、社長の強い思いを込めて文章化したものではないでしょうか。これを経営理念と言わずして何というのでしょうか。

売上増大を狙って「奇をてらう」事も時には必要でしょう。これによって我が意を得たりと思うのも著者の勝手です。しかし、「奇をてらう」事ばかりしている人の人間性には疑問符がつきます。小手先で読者を惑わす姿勢は「成功神話は復讐する」の言葉を進呈したいものです。成功した人は成功のプロセスを反省すること無く、同じ手法を繰り返すことによって、それが原因で失敗するという意味です。

経営はすべからく「王道経営」を貫くべきではないでしょうか。混沌とした経済環境下では必要不可欠と考えております。