張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

経営者の通信簿

企業活動の総括として毎事業年度毎に決算が行われ財務諸表が作成されます。当該事業年度の成績が発表されることから、経営者の通信簿と言われています。これを分析したものが財務分析であり、実際の数字から指数によって経営判断を行う手法として定着しています。

この財務分析では①企業の安全性を見る指標として「安全性の指標」②投下資本の効率を見る指標として「効率性の指標」③収益性の良否を判断する「収益性の指標」④借入金の返済能力を見る「返済能力の指標」⑤労働分配率の良否を判断する「生産性の指標」の五つが代表的な指標となっています。
この指標、全てにおいて超優良企業の評価を得ている希有な中小・零細企業メーカーをご紹介します。

一般的に製造業は企業の危機管理のためにトロイカ方式を薦めています。つまり、取引業界を三分割し、どんな危機が起きても生き残る対策のことです。これをトロイカ方式と言います。一つの業界が全滅しても、残りの66%が生き残れば何とか生き残るチャンスが生まれてくるからです。これが経営理想論です。

ところが、この理論を全く無視して、一社依存体制でありながら超優良企業になっているのです。その秘密は、技術力を本社以上に高め、他社では真似の出来ない特殊な製品に特化し、親会社から見てなくてはならない存在になっているからです、当然、品質と納期は当たり前です。しかも、材料は無償支給のため資金繰りの苦労もなく、利益がそのまま現預金として残る仕組みになっています。これをたった10人の社員で切り盛りしています。

技術力に特化したばかりではありません。実は、納税思想が抜群に良いのです。皆様のおかげで達成出来た利益について、国民の義務として納税するのは当たり前です。と平然と言っているのです。これには頭が下がります。

実は、納税思想が極端に悪く、企業の体力を弱めている経営者も中にはおります。利益が出ると節税と称して借入金で設備投資をします。設備の特別償却が節税になるからです。これを10年も繰り返して実行した結果、どうなったのでしょうか。景気は常に変動します。投資効果が発揮されて、常に生産性が向上するとは限りません。特別償却によって所得が赤字となり、納税は全く必要ありません。短期的には成功したと思いきや、10年たってみたら多額の借入金が残ってしまい、にっちもさっちも行かなくなって、危機を招いているケースもございますので、過度な納税思想の忌避には注意が必要です。
納税思想も通信簿の採点には重要なのです。