張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

機会損失のお話し

余り聞き慣れない言葉ですが、企業の財務管理に用いる用語で、費用概念の一つです。
お客様が買いたい意志を持っており、売る側に売る意志があるにも拘わらず、売る側の都合で取引が成立しないことに伴う売上の減少を指す用語です。

この機会損失の考えを知らないで、売上を落とした結果、デフレだから業績が悪い、政府の景気対策が無いので売上が上がらない、値引き交渉が厳しく収益が上がらない、社員の働く意欲が薄い等々、悩んでいる経営者が結構います。

脳力開発」では、典型的な人頼りの姿勢であり、経営者の陥りやすい癖と言えます。何故ならば、この事例では経営者自身はどのように考えているか全く見えてこないのです。経営とは、これらの諸条件に対し、どのように働きかけていくかが主体でなければならないはずです。

話を元に戻します。事業経営に不可欠な機会損失を如何に少なくするか。セブンイレブンはポスシステムの完成によって、機会損失を極度に減少させた結果、好業績の基礎を築いたと言われています。

究極の機会損失の対処法は「理念型経営」の実践で解決できます。我が社は何のために存在するのか、お客様に何を提供する会社なのか、明確な定義付けが解決の糸口となります。

例えば、各地域に印刷屋さんが存在します。従来のようにお客様から持ち込まれた印刷物を印刷するだけで良いでしょうか。そもそも印刷業とは何でしょうか。印刷業とは潜在する情報を可視化して、世の中に伝えることを業としているのではないでしょうか。

可視化の中には印刷物を印刷することは中心となりますが、自分史を作ったり、過去の業績を文字で残そうとする潜在需要がかなりあるはずです。そうなれば文章校正の知識が不可欠ですし、印刷物によっては写真が効果的な場合があります。また配色によって効果的な表現が可能となるとか、印刷以外に研究することが沢山あります。これらを有機的に行えば同業他社との差別化が可能となり、これが付加価値となって業績向上に繋がります。
機会損失を如何にしたら無くすかの研究は不可欠です。
中には、機会損失の存在さえ知らない猛者もいますので、この機会に勉強しましょう。