張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

金融機関の道義的責任とは

あなたはこの話を信じますか?
ある会社の社長の奥さんに弟がおりました。その弟が自宅を新築するに当たり、地元の金融機関から住宅ローンを組んでもらい、支払いに充てました。ところが景気の悪化でローンの支払いが困難になってしまいました。これは良くある話です。

ところが、地元の金融機関の貸付担当者は、姉である奥さんの会社を訪れ、保証人でもないにも拘わらず弟の借金を返済するよう、耳元で囁きました。驚いた奥さんは社長に相談せず、自分の預金口座から引き落とすことを承知してしまったのです。ある会社のメイン金融機関は、弟に融資した所と同じでした。

この時、奥さんはとっさに考えたようです。もし、弟の借金返済を断ったら、メインである金融機関から後日、無理難題を押しつけられ、資金繰りに困ったらどうしようと。

最近になって、この事実を知った社長は、直ちに返済をストップさせました。その結果、金融機関は弁済に充てるため、当然競売の手続きを取りました。

奥さんが今日まで支払った数百万円の資金について、弁護士に相談したら、法的には違反していないから、返済を求めることは困難だと言われました。

弟が借りた借金は、弟の責任において返済すべきであり、例え親族といえども返済の義務を負うことは絶対にあり得ません。
本来、法律上支払義務のない者に支払いを請求したり、必要以上に取り立て協力を要求することは禁止されているのです。これを承知で行う行為は真っ当なな金融機関として許されるでしょうか。

メイン銀行という立場を利用して、返済義務のない人に返済を要求することは、個人であろうと法人であろうと、明らかに威圧行為であり、場合によっては恐喝罪にもなり得る行為なのです。
聞けば、この行員は極めて優秀であると評価されているようです。

道義的責任とは・・・人として正しい道を守るべき責任・・・デジタル大辞泉より。
日本人の誇りは何処に行ったのでしようか?