張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

税と社会保障の一体改革の末路パート2

前号からの続きです。
増税だけは2014年から8%、2015年から10%と明記し、更に最近では更なる増税案が際限なく浮上しつつあります。しかも、退路を断って行うべきシロアリ退治や各種の改革については何ら具体案を示さず、スローガンの提示で全く誠意が見られません。
更にあろう事か最近になって新規公務員採用を4割りカットするという筋違いの提案まで行っています。政府自らが若者の将来に対する夢を奪っていることに気付いていない愚鈍さに危機を覚えます。こんな些末な改革案でだまされるほど民度は低くないと思います。正に数を頼んでの「調和」を自ら破壊していると言わざるを得ません。また、ギリシャ国債デフォルトで間違った恐怖感を煽ることは止めてもらいたいものです。

それでもまかり間違って増税案が成立したら日本経済はどうなるでしょうか?

かつて「ゆりかごから墓場まで」と言うスローガンでイギリス経済がどうなったかご存じでしょう。その昔、大英帝国と言われたイギリスは、戦後社会主義政党労働党が政権を握り、「ゆりかごから墓場まで」の政策を実施しました。誰もが反対できない心地よいスローガンで、社会保障と福祉の拡大を徹底して実行しました。その結果、経済は疲弊し、かつての大英帝国の面影は無く、イギリス病とまで言われ、どん底まで落ちてしまったのです。これを救ったのが保守党の鉄の女と言われたマーガレット・サッチャーだったのです。サッチャーは小さな政府を目指し、国民の活力をひき出して再建を実現したのです。

増大する社会福祉増税で賄う手法の末路はイギリスの例のように決まっています。為政者は、もっと歴史の教訓を学ぶべきです。「天は自ら助けるものを助ける」と言われるように、これからは自助努力が基本にならなければなりません。依存体質が蔓延すると国家や衰退します。

少子高齢化社会での年金問題の解決は従来の「賦課方式」から「積立方式」への変更以外に解決の道は無いと言われています。

際限の無い増税路線で国力を消耗するのではなく、第一に景気回復を最優先し、国民の自助努力による姿勢を啓蒙することが政治の根本ではないでしょうか。

先に挙げた改革を自ら身を切る姿勢で退路を断つ覚悟で、期日を明記し、実行してからの増税路線でないと所詮は無理なのです。日本の末路を強行に早めるとは許されない暴挙と言えます。
心地よい形容詞に惑わされることなく、本筋を見極める努力をしましょう。そして「調和」のある素晴らしい未来を自助努力によって一歩一歩築いて行きましょう。