張子房塾

経営者の皆様を対象に経営塾を開設しました。今までの経験を中小零細企業経営者支援に全力投球します。

退路を断つ。とはこれ如何に

政府・与党は1月6日、消費税増税を柱とする「税と社会保障の一体改革」素案を決定しました。デフレ不況下では景気回復が先決であり、増税ありきの政策はデフレ不況の足を引っ張る愚策である事を過去の歴史から学んで欲しい。

野田総理は演説が巧みではあるが、言っていることは勇ましい美辞麗句のオンパレードである。不退転の決意で行動するとか、退路を断って増税路線を突っ走る等、まるで論語に出てくる(巧言令色鮮なし仁)そのままである。孔子曰く「口先が巧みで、角のない表情をするものに、誠実な人間は殆どいない」。

本来、退路を断つという意味は、マニュフェストで掲げた重要項目の実施時期を工程表に掲げ、1.天下りの斡旋を全面的に禁止する。2.国家公務員の総人件費を2割りカットする。3.議員定数を80名削減する。4.諸悪の根源である特別会計を一本化し透明度を高める等々。これらの重要項目を退路を断つ決意で、何時までに必ず実行しますという国民へのメッセージを実行することが先決ではないのか。これを全く無視して14年に8%、15年10月に10%の増税実施。全くあべこべのことを国民に強いる無神経さには怒りさえ感じるのは小生だけではないでしょう。

自ら率先して実行する事を全く無視して、増税だけを国民に求める政治は必要ない。重要項目を徹底して実践し、それでも財政再建には増税が必要であるならば、民度の高い国民は必ず理解してくれるはずである。

素案の中に、マニュフェストを実行しますと書いてあるが、ことごとくマニフェストを反故にしてきた現政権を国民は信頼していない。財政再建は必要であるが、その前に必ず実行しなければならない約束がある事を肝に銘じて欲しい。退路を断つとは、こういうことなのである。みだりに美辞麗句を並べれば国民が納得すると思ったら大間違いである。